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ATMの相互利用に潜む大人の事情

ATMの相互利用

おはようございます。

年度末ですね。

さて、新年度になると
様々な新しい取り組みがスタートします。

そのうちの一つで、一部の銀行で
他行のATM端末との相互利用が可能になります。

平日の昼間であれば
他行のATM端末で現金の出金をしても
手数料が発生しないというものです。

ここ沖縄でも
地元の上位2行である
琉球銀行と沖縄銀行が提携し
ATMの相互利用が可能となります。

これにより
地元の利用者はわざわざ他行のATMまで
移動する必要がなくなり
大変便利になります。

地元のマスコミでも
両行があたかも利用者の利便性向上のために
主体的に提携したかのごとく報道されています。

↓ 新聞の記事
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1094844.html

しかしながら
実情は違います。

全国でATMの相互利用の業務提携が行われているのは
いた仕方ない銀行側の大人の事情があるためなのです。

具体的には
「ATMの維持管理コストが銀行の負担となっているため
複数の銀行でそのコストを分担しましょう」
というものです。

ATM端末は、故障修理、
セキュリティー対策や警備システム等に
1台あたり月額約30万円の費用が発生していると言われています。

ATM端末が5台あれば
それだけで維持管理費は150万円/月です。

ATMの利用に伴う時間外手数料や
振込手数料だけでは収支はマイナスです。

そう考えると、ATM端末は
利用者に対する銀行側の利益度外視の
サービスの一環なのです。

ちなみに
現代はネットバンキングの利用が増えていますし
スマホの普及により電子マネーの利用も増えています。

これらにより
今後はATM端末の台数や
ATMの設置場所自体も
減少していくことでしょう。

つまり
ATMの相互利用開始は
いま風に言うと、【利用者ファースト】が目的ではなく
銀行のATMサービスの縮小へ転換なのです。