さて、
不動産の売買に欠かせない手続きに
不動産の登記があります。
不動産の所有者の変更を行なう場合には
法務局へ所有権の移転登記申請を行い
後日、新たな所有者に権利証(登記識別情報通知)が発行されます。
ですので、
不動産の所有者を調べたいときには
法務局に行き、登記簿を取得すれば確認が出来ますし
現在は登記簿と同じ情報が記載されたものが
インターネットでも取得(有料)することが出来ます。
登記情報提供サービス ⇒ https://www1.touki.or.jp/
不動産業者が
不動産の売買や調査を行なう時には
これら登記の情報を取得し
不動産そのもののや所有者についての情報を調べます。
しかしながら、この登記情報も
最新の状況が全て記載されている訳ではありません。
例えば、
とっくの昔に亡くなった人の名義のままであったり、
生存していても、引越し前の住所であったりと
現在の新の所有者が誰であるかが
登記の情報を見ただけでは分かりません。
そこで、以前は
役場の資産税課に行き
固定資産税の納付書の送付先などから
相続人や引越し先の住所を教えてもらえたものでした。(笑)
しかしながら
その後、個人情報保護法が出来き
個人情報の取り扱いが厳しくなると
役所の窓口ではそれらの情報を入手することは
出来なくなりました。
それどころか、
同じ役所の職員であっても
資産税課の人以外は
これらの情報を入手することは困難になりました。
これらの背景も後押しとなり
日本では「土地の所有者不明問題」が
取り沙汰されるようになりました。
よく言われる例えでは
現在の所有者不明の土地面積の合計は
九州のサイズといわれており
今後も拡大していく方向にあります。
そこで、
これらの問題を解決するために
不動産登記法が改正され
2024年4月から
不動産登記の義務化がはじめることとなりました。
具体的には
相続の事案が発生した際には
原則として3年以内に相続登記をしなければなりません。
もし遺産分割がまとまらない場合は
ひとまず相続人であることを申告すれば
相続登記を行なう義務は免れます。
また、先程のように
所有者に住所変更等がある場合は
それらの変更登記も義務化されます。
今回の不動産登記の義務に違反した場合は
10万円以下の過料の対象となります。
不動産登記の義務化は
所有者が不明な空き地が
これ以上増えないようにするという面では
一定の効果が見込まれますが
過去から放置プレイされた土地は
そのままとなる可能性もあります。
しかし、今後
不動産登記の義務化が浸透していき
登記の情報を調べれば
現在の所有者を見つける手掛かりとなるようになれば
地上げ屋不動産業者も地上げ仕事がしやすくななるでしょう。(笑)
所有者不明土地についての法務省のサイト
⇒ https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html