本日は25℃の夏日まで
気温上昇中の沖縄です。
さて、先日、
不動産を借りている入居者さん宛に
ある日、突然、税務署から
高額の納税の催促通知が来るケースについて
書きました。
これは、今話題の
振込み詐欺などの特殊犯罪では無く
法律に則った正規な請求です。
そして、
物件の家賃や未納の期間によっては
100万円単位での納税の催促通知が来ることもあるという
重要かつ大きな影響を与えるな内容にも関わらず
それを知っている国民はほとんど居ないという
大きな問題です。税務署の周知不足・・・
そこで
この問題についてもう少し調べてみたところ
税務署からさらに高額な納税の催促通知が来るケースがあることが
わかりました。
それは不動産売買のケースです。
具体的には、
日本に住んでいない個人や法人
(住所を有しない者・住所を有してから1年未満の者を含む)
を売主とした不動産の売買で
彼らに売買代金を支払った場合には
買主は10.21%の税率にて源泉徴収をした上で
それを税務署に納付しなければならないという内容です。
例えば、
外国人または海外の法人が所有する不動産を
2億円で購入した場合に納付する税額は
約2,000万円となります。
源泉徴収ですので、手続きとしては
売主に2億円の代金を支払う際に
税額の2,000万円を差し引いた残りの
1億8,000万円を支払えば良いのですが
源泉徴収の法律を知らない買主は
何も無ければ2億円を丸々支払ってしまうものです。
仮に源泉徴収を忘れていたとしても
その後で売主と連絡が取れ
売主側も納得の上で税額を徴収できれば良いのですが
売主と連絡が取れなくなってしまったり
売主が税金分の返金をゴネたりすると
厄介なことになります。
売主側の事情がどうであれ
税法上の納税義務者は買主だからです。
ちなみに
納税の時期については
売買代金を支払った翌月の10日迄ですので
決済が終わった後、ゴタゴタしているうちに
あっという間に納付期限が到来してしまいます。
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こんなトラブルに巻き込まれたら大変じゃないですか。
なお、
この源泉徴収の制度については
買主が個人であり、
自己またはその親族の居住用のための土地や建物を購入する場合で
売買価格が1億円以下の場合は適用されません。源泉徴収しなくてもOK
今の時代、
外国人や海外の法人が
日本の不動産を所有していることは
珍しい事ではありません。
よって、
彼らがそれらの不動産を売却しようとする際には
この源泉徴収の制度が適用される場合が多いということを
覚えておくべきかと思います。
ちなみに、過去には
海外の法人から中古マンションを購入した買主が
やはり源泉徴収をせずに全額を支払った後に
税務署から納付の催促があり、
「源泉徴収の話なんて説明を受けていない」と
不動産業者を訴えた判例があります。
しかし、このときは、
「不動産業者にそこまでの説明義務は無い」
との判決がでています。(東京地裁 平成22年10月18日)
判例資料 → https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/83-128.pdf
つまり、
「源泉徴収については買主の自己責任(義務)」
というのが現状の解釈なのです。
国税庁サイト(非居住者等から土地等を購入したとき) →
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2879.htm