おはようございます。
雨の多い今年の夏は
ダムの貯水率もほぼ100%の沖縄です。
さて、昨日、
全国の路線価が公表されました。
路線価は、1月1日時点の評価額を
毎年7月1日に国税庁が公表しているものです。
その中で沖縄は
平均伸び率が約10%で
今年も全国1位です。
言い方を変えると、沖縄の土地は
平均で価格が1割上昇したと言うことです。
相変わらずの不動産バブルです。
しかし、
この路線価の公表にあたっては
いくつかの疑問があります。
1つ目は現実との差異です。
路線価はそもそも
実際に取引される価格とはかけ離れた価格です。(笑)
それに加え
今年はとくに新型コロナウィルスの影響で
日本も大きなダメージを受けていますので
1月1日時点と現在とでは、さらに差異が出ているものです。
にも関わらず
なぜ過去の価格をわざわざ公表するのだろうかと
疑問に思うものです。
過去の良かったときの
通信簿を見せられているようなものです。(笑)
しかし、これにはちゃんと理由があります。
それは、
路線価を誰が何の目的で公表しているかを考えると
理由が見えてきます。
路線価を公表しているのは国税庁で
その目的は税の徴収です。
路線価は、
国税庁が相続税を徴収する際に
土地の評価に使用する基準値の一つであり
公平性を保つために
全国一律で1月1日時点のものとしているです。
今年はたまたま新型コロナの影響で
1月1日以降に不動産の価格に
大きな変動を生ずる事象がありましたので
さすがに、修正(補正)を行なうようです。
しかし
国税庁にとっては、
公平性の基準が明確でさえあれば
路線価が高いか安いかは
あまり関係の無い話なのです。
つまり、
国税庁が今年の相続税を徴収する際の
基準を公平に示すために、
コロナ前ではありますが
1月1日時点の路線価を公表せざるを得なかったのです。
さすがお役所仕事です。(笑)
路線価の公表についての
もう一つの疑問はタイムラグです。
路線価の算定にあたっては
不動産鑑定士に評価を委託したり
3月に公表される国交省の公示価格との調整を行なったり
全国の集計を行なったりと
現実的には手間と期間の掛かる業務ではあります。
しかしながら
便宜上とは言え1月1日の価格を、
何のためらいもなく
6ヶ月後に公表しているその感覚は
さすがお役所仕事です。(笑)
いずれにしても
昨日公表された路線価を見て
「うちの土地も10%は値上がりする」と
喜んでいるのは、沖縄の地主さんです。
その後、コロナの影響があろうが
人は自分にとって都合の良い情報だけが
印象に残るものです。