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不動産のリアルな場面では半沢も負ける

台風はとっとと過ぎ去りましたが
突然の豪雨の余韻が残る沖縄です。

さて、
先日、東京地方裁判所にて
不動産の抵当権に関する興味深い判決がありました。

yahooニュースにも出ていましたので
すでにご存じの人も多いと思いますが
不動産に関連する記事ですので
あらためて取り上げたいと思います。

事件の概要は
秋葉原の駅前の一等地に本社ビルを所有する
「室田電気工業」への融資を担保するために
都銀2行が行なった本社ビルへの抵当権の設定に対し、
東京国税庁の追徴課税を妨げる行為として
都銀大手2行に対し、抵当権抹消を命じたものです。

これをもう少し詳しく
時系列に整理すると下記の通りです

・インバウンド景気の真っ只中
宝田無線電機が、金を使った工芸品を貴金属会社から仕入れ
それを中国人などの外国人観光客に爆売りし
1年間で約900億円を売り上げた。

・2016年
「外国人観光客が自己使用するものは消費税が課されない」
ということで、宝田無線電機が約88億円の消費税の還付を申告

・都銀大手2行が、宝田無線電機の消費税の還付金を担保に
最大50億円の融資契約を締結

・2016年9月~
東京国税局による宝田無線電機への税務調査開始。
(消費税の還付は留保)

・2017年2月
宝田無線電機の金を使った工芸品の販売に虚偽があることが判明、

・2017年3月
宝田無線電機に融資を行なっていた都銀大手2行が
「消費税の還付が50億円に満たなくなった場合は
宝田無線電機の本社ビル等に根抵当権を設定する」という条件を追加

・2017年6月下旬
国税局が、還付金88億円のうち77億円を不正と認定
宝田無線電機に対し、追徴課税処分を行なう旨を打診
(それにより宝田無線電機の債務超過が確定)

2017年6月26日頃
・宝田無線電機が都銀大手2行にその旨を報告

・2017年6月30日
国税局が宝田無線電機に対し約104億円を追徴課税

・同日
都銀大手2行が、宝田無線電機の本社ビル等に根抵当権を設定登記。

・2017年9月
国税局が宝田無線電機の本社ビル等を差押え
しかし、都銀大手2行の根抵当権が設定されているため
徴収見込み額は7億位6千万円から約3,300万円に減少

・その後
怒り狂った国税局が都銀大手2行の根抵当権の抹消を求めて提訴

・2021年9月8日
東京地裁が国税局の主張を認め、都銀大手2行の根抵当権の抹消を命じた

今回の事件を整理すると
ツッコミどころ満載ですね。(笑)

まず、宝田無線電機は
昔ながらの無線機器や電機品を取り扱っていらっしゃった
秋葉原の老舗の会社ですが、近年のインバウンドブームで
免税店運営の旨味に味を占めてしまわれたようです。

また、宝田無線電機の本社ビルがある秋葉原は
オタク系とメイド系の聖地という場所がら
宝田無線電機の8階建ての本社ビルも
そちら系のお店がテナントとして入り
長年にわたり大繁盛していらっしゃいます。

一方、今回の首謀者の都銀大手2行とは
いつの時代も何かと世間をお騒がせする
みずほ銀行と三井住友銀行です。(苦笑)

かれらが融資の債権を保全するために
宝田無線電機の本社ビル等に
根抵当権を設定したこと自体は理解出来ますが
国税庁が追徴課税を通知したその当日に
根抵当権を設置するのはさすがにアレですよね。

ケンカを売られた国税庁が怒るのも仕方有りません。

根抵当権を設定するのであれば
2016年2月に国税の税務調査で虚偽の販売が判明した
この後が良かったでしょうね。

まぁ、宝田無線電機が
国税の調査状況等を、融資元である2つの銀行に対し
こと細かく報告していたとも思えませんが・・・

それ以外にも
ツッコミどころは沢山ありますが
不動産業者の観点からすると
通常、登記は第三者への対抗要件として正当な行為なのですが
今回のように、追徴を逃れるためにあからさまに行なったものは
抹消が命じられる、ということがあらためて分かりました。

所詮、民間企業の小手先の画策では
国には勝てないと言うことです。(笑)

今回の判決を受け
都銀2行が控訴するかどうかは
引き続き注視しますが
裁判の詳細がわかったらもう少し
事実確認を降り下げてみたいと思います。

Yahooニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/4e5a2b86e0aa25fae28814fe96526071edbde79b