ご多分の漏れず
沖縄も今日からお盆です。
さて
不動産には様々な法律や条例等が関わりますが
その多くは、土地の開発や建物の建築を規制するものです。
不動産にはそれぞれ所有者があり
そこには所有権や財産権が存在します。
ですので
そこで行なう行為を規制するには
それなりの根拠となる法律や条例が
必要という考え方でもあります。
しかし
法律や条例も完璧なものではありませんので
必ずモレや例外があります。
そうすると
そのモレや例外の中で
何らかの判断をするのは
お役所の人たちとなりますが
するとそこには「裁量」が生まれることになります。
ちまたで言う「利権」と言うヤツで
この利権は、時に様々なトラブルの原因になります。
しかしながら
世の中には必ずしも利権が原因で
トラブルに発展するものばかりではなく
様々な要因が絡んでしまったために
トラブルになってしまうケースも多々有ります。
現在、東北のとある自治体で
土地の利用を規制する法律に関連して
土地の所有者と役所で
大きなトラブルが発生しています。
とある農地の所有者が
「農地法」という法律に基づき
役所に対し形状の変更の届出を行ないました。
しかしながら
その届出が不適切なものであり
実際には届出の内容とは異なる行為として
第三者による違反盛土がされるようになり
その行為が10年間黙認されて来ました。
しかし、数年前の
静岡県での違反盛土が原因による
土砂崩れ被害等が契機となり
全国の違反盛土のチェックが行なわれた際に
今回の違反盛土を黙認したままにすることが
出来なくなり、問題が顕在化しました。
農地法の違反は
「原状回復」という
農地を元の状態に戻すのが基本です。
今回の事例でも、役所は
元の状態に戻して下さい
と土地の所有者に対し
原状回復を要求しました。
しかしながら、今回のケースでは
その費用が約27億円掛かるとのことで
土地の所有者は困り果てました。
また、
今回の農地が違法盛土となった背景には
東日本大震災の影響もあるようで
今回の農地も原発事故に伴う除染が完了した後
農地として使用することは出来ず
別目的での利用をすることにしたようです。
その際の農地法の手続きが不適切であったため
それが今回の事象につながりました。
また、役所もある時期から
不正な手続きであることを知りながらも
結果的にそれを10年間黙認してきたようです。
このように
色々な要因や背景が絡んで
大きなトラブルに発展したため
一概に「誰かが悪い」だけでは済まない状況のようです。
しかし、かと言って
これらも「法律を違反して良い」という
理由にはなりません。
いずれにしても
今回の問題の解決は
一筋縄ではいかないようです。