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相続税の節税のヤリすぎご注意の判例

相続税の節税のヤリすぎご注意の判例

おはようございます。

気温はだいぶ落ち着いて来ましたが
海水温度は相変わらず高いので
もう数発は台風がやって来るかも知れませんね。

さて
昨年8月、東京高裁にて、
不動産の相続に関係する
興味深い判決がありました。

まずは、訴訟となった背景・経緯を
簡単に説明します。

<登場人物>
被相続人:男性(94才・平成24年死亡)
相続人:妻、子供(3名)、養子(男性の孫)

<経緯>
・平成21年:被相続人(当時91才)が収益不動産2件を購入(約14億円・融資利用)
・平成24年:被相続人死亡(94才)
・平成25年:相続対象不動産のうち1件を売却(約5億円)
・同年  :相続人らが相続税ゼロで申告(路線価で評価:3億3千万円)
・平成28年:税務署から追徴課税(約2億円)の処分を受ける(税務署の鑑定額:約12億円)
・同年  :相続人らが国税不服裁判所に審査請求
・平成29年:国税不服裁判所が相続人の請求を棄却
・同年  :相続人らが東京地裁に訴訟を提起

<東京地裁の判決>
相続人らの請求を取り下げる(税務署の追徴課税が認められる)
→ 判決文(PDF)

今回の判例のケースのように
親が相続税対策を目的として
不動産を購入し相続を行なうことは
どこにでもあるケースです。

そのケースが
税務署からの指摘により追徴課税を受け、
それを裁判所が肯定したという意味では
世の中の相続税対策を行なっている
多くの人たちにも影響してくる判例でもあります。

まず、今回なぜ税務署から追徴課税の処分を受けることになったのか
そのポイントを掲げます。

①被相続人の超高齢での収益不動産の購入
:被相続人が不動産を購入したのは91才の時です。
いくら長寿命化の時代と言えども
91才のオジーが14億円もする収益不動産を購入するのは
自己の家賃収入が目的では無く、相続税の節税目的であるとみなされる。
実際、このオジーが収益不動産の購入に、融資を利用する際
銀行の稟議書には「相続対策のため」と記載されていました。

②孫との養子縁組
:被相続人は、収益不動産を購入する直前の1年前に
自身の孫と養子縁組を行なっていました。
これは、相続時の基礎控除額を増やすための意図があると
捉えられます。

③相続開始後、収益不動産の一部をすぐに高値売却
:相続税は相続があったことを知った翌日から10ヶ月以内に
申告・納付をしなければなりません。
今回の相続人らは、相続税の申告を行なう前に
トットと高値で売却しています。

④相続税申告時の評価額と取得時の価格の大幅な開き
:相続人らの相続税申告時の評価額(約3億3千万円)と
被相続人の購入価格(約14億円)および税務署の鑑定額(約12億円)とが
あまりにも開きが大きすぎるため、明らかな相続対策とみなされる

以上のポイントを踏まえ
裁判所は露骨な節税対策とみなし
被相続人らの請求を取り下げ
税務署の追徴課税を認めたものです。

先程も書きましたように
相続時に不動産を利用して
相続税対策を行なっている人は
世の中にゴマンといます。

しかし、今回の判例のように、それらを露骨に行い
また、相続税の申告の直前に高値で売却するなど
税務署をナメたと捉えられるような対応に
カチンときたものと思われます。

不動産は現金での相続に対し
節税効果が大きいのは周知の事実です。

ですので、とくに節税効果の大きい
タワーマンションなどの販売時には
相続税対策をうたったセミナーなども
全国で開催されています。

また、沖縄のプラチナ不動産である軍用地も
相続税対策がウリとされています。

しかしながら
今回の判例のように
露骨な相続税対策は
税務署さんの逆鱗に触れますので
十分にご注意されて下さい。