おはようございます。
昨晩は十五夜を楽しめましたでしょうか。
さて、
好評の不動産業界の裏事情シリーズです。
今回は住宅販売会社編です。
日本では1968年に、住宅の数が
総世帯の数を上回るようになりました。
つまり、近年、
日本の空家問題が騒がれていますが
実は50年以上前から
もう家が余っているという状況なのです。
しかしながら、日本では
それでも新築住宅や新築マンションが
相変わらず建てられ続けています。
これは
日本は新築を崇拝する文化であり
新築に住みたいという
需要側の事情もあります。
その一方で、
住宅会社やマンション業者も
会社を維持していくためには
走り続け(新築を建て続け)
売上を維持し続けなければならないという
供給側の大人の事情もあります。
役所の住宅政策の中に
区画整理事業というものがあります。
区画整理は、簡単に言うと
土地を一旦更地にした上で
整った区画の土地を分譲し
整然とした街を作っていく事業です。
区画整理される地域は
整然とした街並みが人気となり
住宅がたくさん建てられますので
住宅会社にとっても
大量の住宅販売が見込まれる
魅力的な市場です。
ですので、分譲地を自社で購入し
そこに建売住宅や注文住宅を建てて
お客さんに販売する会社もたくさんいます。
しかしながら
区画整理事業には
当たり外れがあります。
事業開始後、
早々に完売となるところもあれば
10年が経過しても、未だに区画が売れ残っている
という事業地もあるものです。
そんな区画整理地では
悪知恵を働かせる住宅会社が居るものです。
例えば
建売住宅を建てたは良いが
なかなか買手が見つからないとき
その家をその住宅会社の社長や
社員が購入するケースがあります。
そして、数年後に
中古住宅として販売するのです。
建売住宅を建て
なかなか買い手が見つからないと
当然、住宅会社としても在庫が残ることになります。
建売をする際に
銀行から融資を受けている場合は
融資金額の大小にかかわらず
その返済が負担になるものです。
そこで、その建売住宅を
住宅ローンを利用して
社長や社員が一旦購入するのです。
彼らが購入した後
実際にそこに住むケースもありますし
住まないで空家のままとするケースもあります。
そして、数年後に
中古住宅として再販売するのです。
一般的には
中古住宅は新築住宅と比較すると
価格は下がるものですが
区画整理地の場合は
街が徐々に成熟していくという性質上、
中古になっても値段がほとんど下がらなかったり
場合によっては新築時よりも高く売れることもあります。
こうやって、
区画整理地では、住宅会社は
融資や販売のリスクを回避しながら
多くの住宅を建て、会社の売上を確保していくのです。
ちなみに
住宅会社の社長や社員が
自社の建売住宅を購入する背景が
もう一つあります。
それについては
また次回書きますね。