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不動産の売買の奥深さと難しさ

コロナの制限緩和に伴い
徐々に観光客が戻りつつある沖縄ですが、
これからの時期は、紅葉など県外の観光も
魅力的な季節です。食べ物も美味しい季節

さて、
不動産の売買は
色々な法律がかかわりますが、
その法律も改正があったり
法改正がされなくても
ガイドライン等により慣習が変わったり
あるいは時代の流れで解釈が変わることもあります。

ですので
これまでは何となく「グレー」で見過ごされていたものが
ある時から「黒」になり、売買がスムースに行かなくなることもあります。

不動産の売買には
【瑕疵担保責任】という考え方があります。

【瑕疵担保責任は】昨年の民法改正により
【契約不適合責任】という表現・思考に変わりましたが
大まかに言うと、売買した不動産に不具合等があった場合の
売主の責任についての考え方です。

瑕疵担保責任は
不動産の引渡しが完了した後に発覚する事象ですので
残念ながら売主も想定が難しいものです。

ですので、もし不幸にも
引渡し後に不具合が発見された場合、
「不良品を購入させたれた」と思う買主もいるでしょうし
その逆で「引渡ししたあとにイチャモンをつけられた」
と思う売主もいるでしょう。

誰も悪くないのに、
後出しジャンケンされたような感覚になる
どちらにとっても不幸なことです。

ですので
このような事態に陥ることを避けるため
個人間の売買契約においては、
売主の瑕疵担保責任を免責にするケースも少なくなりません。

ある不動産の売買の判例ですが、
売主の瑕疵担保責任を免責にする目的で
「本売買契約書の第○条の瑕疵担保責任の条文を破棄する」
という特約条項を追記しました。

通常であれば
「契約書の条文が削除されたのだから
売主の瑕疵担保責任は無い」と思いますが
その判例では「条文が削除されただけでは
売主の瑕疵担保責任は免責とはならず
民法の規定が適用される」と判断され
結果的に売主の瑕疵担保責任が追及されました。

これは
民法と不動産の売買契約の位置付けに絡む問題で有り
少し難しい話しとなりますが
不動産の売買は、民法の規定を大前提としており
売買契約書は、その中で特別な手続きを規定したものである
という考え方です。

ですので、先程の判例のように
「不動産の売買契約書の条文を削除しただけでは
その部分においては民法が適用される」
ということになるのです。

つまり、先程の判例では
条文を削除した上で
「売主の瑕疵担保責任は免責」
という表現が抜けていたということです。

ちなみに判例では
この「売主の瑕疵担保責任は免責」という
表現が抜けていたために、
売主に対し約1,300万円の支払負担が求められています。

判例 → https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/116-106.pdf

私たち不動産業者が
日頃実務として行なっている売買契約は
奥深いものであり、慎重な対応が求められます。

その対応や解釈も
法律や時代とともに変わっていく中で
スムースな取引を行なうためには
情報に対するアンテナと
知識のメンテテンスが常に必要です。


そんなの不動産屋からしたら初歩的な話じゃないですか?あはっ

そうはおっしゃいますが
それが出来ずにトラブルになる事例は
沖縄でもよく聞きます。