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沖縄で建物を解体して売却する際の正しい知識

今週は不安定な天気となりそうな沖縄です。

さて、
不動産の実務では
土地・建物がセットとなった物件の売買を
扱うことが多いのですが、その中には
建物の築年数が経過しているため
既存の建物を解体することを前提に
売買されるケースも多いです。

購入する側からすると
古い建物を補修・リフォームして使用し続けるよりは
いったん更地にした方が
土地をより有効活用出来るからです。

この場合、既存の建物については
売主が「現況有姿」にて引渡しを行ない
それを買主が解体する場合もあれば、
売主側にて解体した上で買主に引渡すケースもあります。

この解体について
築年数の古い建物ですと
アスベストが購入されているケースが多く
解体時の健康被害が深刻化していることもあり
日本では昨年6月にアスベストに関する法律(大気汚染防止法)が
改正されました。

それに伴い
建物の解体を伴う不動産の売買においても
アスベストへの対策が
段階的に強化されていますので
本日は主なポイントを整理しておきます。

2021年4月1日~(施行済)
①規制対象範囲の拡大:
これまで規制対象となっていなかった石綿含有成形板等
(いわゆる「レベル3建材」)を規制対象とする

2022年4月1日~
②事前調査結果の都道府県等への報告の義務化
一定規模以上の建築物等の解体に際し
アスベストの有無にかかわらず、事前調査結果の
都道府県等への報告を義務付
一定規模以上:床面積合計80㎡以上、工事代金合計100万円以上
報告方法:専用システム(石綿事前調査結果報告システム)による
報告時期:解体工事着手の2週間前までに

2023年10月1日~
③有資格者による事前調査の義務化
事前調査を行なう際の有資格者による実施が義務化
(「一戸建て等石綿含有建材調査者」等)

上記以外にも、
・罰則の強化
・事前調査方法の法定化
・調査記録、作業結果記録の保存
等の対応も追加されています。

アスベストについては
重量の0.1%を越えるすべての製造・使用等が
法律で禁止されたのは2006年9月からですので
それ以前の建築物等については
使用されている可能性がゼロではありません。

沖縄のアスベストについての過去の関連ブログ

アスベスト大国沖縄の闇

アスベストに関する法律の改正に伴い
それに対応するための解体業者さんのコストも
上昇することが予想されます。

作業者等の健康・安全をより高めるために
業者さんの書類・手続き・現場対応等の作業量が増えれば
コストが上昇するのはやむを得ないことです。

と言うことで、
今後、不動産の売却に伴い
既存の建物の解体を検討する際には
作業の依頼者である売主側も
アスベストのこともより正しく理解し、
それに応じた対応をする必要があります。「安ければイイ」だけの時代はもうオシマイに

<参考>
環境省のHP
⇒ http://www.env.go.jp/air/post_48.html

大気汚染防止法改正のPDF資料(環境省)
⇒ http://www.env.go.jp/air/air/osen/R1-Main16.pdf