素敵な認知vs攻撃的な忘却力

前線の第一波が通過しましたが
このあと第二波が控えている沖縄です。

さて
脳はいろいろな意味で
自己を守るように出来ています。

心拍・呼吸など生命活動の元となる動作の指令が
脳から各臓器に出されているのはその代表です。

また、気温の変化など
外的な攻撃を受けたときは
体温調整をするなどの指令を出します。

精神的なストレスに対しては
疲労感やアレルギーなどを出すことによって
過剰な負担が与えられる前に
拒絶反応を出して自己を守っています。

また
このストレスに対しては
脳の負担を軽減するために
都合の悪いことはあえて忘れるようにも出来ているという
優れものです。（笑）

話は少し変りますが
不動産の売買においては
いまだにハンコを使用する機会が多いものです。

重要事項説明や契約書をはじめ
所有権を移転するための登記書類や領収証など
いくら国が「ハンコを無くしましょう」と旗を振っても
吹けど踊らず状態です。（笑）

不動産の売買に限らず
私たちの社会生活においては
何かとハンコを押す機会が多いですが
シャチハタ等と違い、良いハンコになるほど
綺麗に捺印するのには
ちょっとしたコツが必要となります。

朱肉をしっかり付け
印鑑を紙面に置いた後
印鑑の外形の円に沿って
グルッと円を描くように
手首をコネくるのです。

そうすると
印鑑の淵まで綺麗に描写された
捺印が完成します。

しかし
ハンコを使う機会が少ないと
それもなかなか上手く捺印できないものです。

まして
不動産の売買という
高額のお金が動く取引の捺印は
緊張することもあるものですので
なかなか上手く捺印できないこともあるものです。

そんなとき
お客さんによっては

印鑑をオタクに預かるから代わりに押してくれる

と捺印を依頼する人もいらっしゃいます。

これは
不動産屋を信頼しての行為が半分と
ハンコが上手く押せないイライラの回避が半分だと思います。（笑）

こうして
お客さんからの依頼を受け
不動産屋が代わりに書類に押すことも少なくないのが実態です。

以前、
同業者さんとユンタクした際に

この前、困ったことがあったんですよ

どうしたんですか？

先日お客さんからの依頼で、代わりにハンコを押したところ
お客さんから「オレはハンコを押した憶えがない」と言われちゃったんですよ

そんなこともあるんですか～？

それでお客さんから「その書類は無効だ！」とか言われちゃって・・・

そりゃビックリしますね。アジさんもびっくり

そのお客さんからは間違えなく「代わりに(ハンコを)押して」と言われたんですけどね

そのお客さんって年輩ですか？

いや、50代後半です

“微妙だな～”　50代は初老・・・

お客さんに何か心変わりがあったのか、自分の想定と違っていたので
ハンコのせいにしたかも知れないんですよ・・・

不動産業も
色々なお客さんとやりとりをしますが、
自分の言動を純粋に忘却してしまっている人もいらっしゃれば
自分の都合の悪いときには「覚えていない」ことにしようとする人も
いらっしゃいます。

ある意味、不動産屋とは
似たもの同士かも知れません。（苦笑）