不動産売買における聖なる権利証

県外では体温越えの地域が続出していますが
どうぞ無理をなされないで下さい。

さて
不動産の売買においては
【権利証】が登場します。

権利証は
2005年の不動産登記法の改正により
「登記識別情報通知」という名称に変更となり
書類の形状も1枚ものに変わりました。

しかし、
「権利証」という名称はシンプルかつ分かりやすく
昔から馴染みのある言い方であるため、
不動産の実務においては、
今でも「権利証」と呼ぶこともあります。

この権利証は
「不動産の売買において最も大切な書類」
というイメージが強く、
TVドラマ等でも、権利証が奪われると
一大事扱いされます。

現在、絶賛 叱咤激励中 放送中の
NHKの朝ドラ「ちむどんどん」でも
ヒロインの働くレストランの権利証が盗まれ
反社な方々の手に渡ってしまいました。

反社な方々は
それを持って夜な夜なレストランに押しかけ
権利証を差し出すと

この権利証を買取って欲しいんだけど

と迫りました。

ご多分に漏れず
いちでーじ(一大事)となりました。（笑）

しかし
不動産屋をはじめ
多少なりとも不動産の知識のある人は
このシーンを見て違和感「しか」感じなかったことと思います。いま風の言い方

目の前に権利証を差し出されたんだから、
その場で奪い返せばよかったということですね。あはっ

そういう話ではありません。（笑）

権利証は、
第三者がそれを悪用しようと思っても
単独では意味を果たさないものです。

権利証は、その原本と
印鑑証明書と実印の三点がセットとなって
はじめて 一人前となります 所有権の移転(名義変更)が可能となります。

もちろん、権利証があるからといって勝手に
抵当権を設定(借金の担保)を登記することも出来ません。

これは
不動産の所有者が
個人・法人のどちらであっても同様です。

また、
権利証だけで全てのことが出来てしまうとすると
もし権利証を紛失してしまった場合、
権利証は再発行が出来ませんので
その不動産はもう売買が出来なくなるということにもなります。

しかし
不動産の実務においては
「権利証を紛失してしまった」
というケースもタマにありますが
それでも問題無く売買は行なわれています。

具体的には
司法書士さんにて
「本人確認情報」という書類を作成してもらい
それをもって権利証の紛失を補うのです。別の方法もあります

費用は
司法書士さんの良心的or悪徳によって違いますが
だいたい4万円程度です。（笑）

じゃあ、安心して権利証を紛失できるんですね。あはっ

そういう心構えの人は
きっと別の面でイタい目に遭うと思いますよ。

不動産売買において、今も昔も、
権利証は神聖なものなのです。