不動産業は人助けだという思い込み

最低気温の1桁台は
体への負担も大きくなる季節です。

さて、
不動産業について、
何かとネガティブな表現の多いこのブログですが（笑）
不動産の取引自体は
何かと人様のお役に立つことも多いものです。

例えば、
自宅を建替えやリフォームする際には
一時的に仮住まいが必要となります。

半年くらい賃貸物件を借りれば良いのですが
賃貸物件のオーナーさんの一般的な心理としては
お部屋は長く借りてくれる人に貸したいものです。

半年後に退去したあと
また次の入居者を探さなければならず
場合によっては空室の期間も発生してしまうからです。

ですので、ホンネとしては
半年くらいで退去されては困るものです。

そうなると
建替えやリフォームをする家の人たちは
その間に住むところが無く困ることになります。

そこで
不動産屋がオーナーさんと交渉して
半年間だけでも賃貸物件を
借りられるようにするケースもあります。

何気ないことなのかも知れませんが
こうやって、誰かが助かるのは
人に喜ばれる仕事の一種だと思います。手前ミソ

以前、
とあるお客様から
ご自宅の売却の相談がありました。

そのお客様は早くにご主人を亡くされ
働きながら何とかお子さんも養って来られましたが
経済的に厳しくなり、税金等の支払いが滞る状況と
なっていらっしゃいました。

そのため
いよいよ自宅を手放さざるを得ないだろうかと
不動産屋に相談に来られたものです。

まずはお話しをよく聞いた上で
滞っている税金等や
返済しなければならない債務等を一緒に整理し
状況の確認をしました。

残念ながら
経済状況が改善する状況には無く
やはりご自宅を手放さざるを得ない状況でした。

そして
今であれば、ご自宅を売却したお金で
諸々の返済や支払いを済ませても
多少手元にお金が残る状況でした。

また、何よりも
このような精神的な負担が長期間続くと
体調を崩してしまう可能性もあり
そうなると貴重な収入源である仕事も
出来なくなってしまい、
状況がさらに悪化してしまいます。

ご自宅の売却について
あらためて気持ちを整理して頂いたあとは直ぐに
支払いが滞っている相手先に出向きました。

支払いが滞っている期間も長かったため
そろそろ差押えが付いてしまう可能性があったためです。

不動産は差押えが付いていて
手順さえ踏めば売却は可能です。

しかし
不動産は縁起物でもありますので
購入する人によっては
マイナスのイメージを持つ人もあり
それが売却のスピードや価格に
影響を及ぼす可能性もあります。

そのため、相手方に対し
ちゃんと不動産屋が付いて
売却の動きをする姿勢を見せることで
相手方にも状況を理解してもらい
差押え等の手続きを止めてもらうよう
お願いしました。

詳細は省略しますが
その後、買主が見つかり
決済を終えるとともに
全ての支払いや返済が終わりました。

お客様にとって
それまでの重たい負担から無事解放された日です。

それまでの自宅から賃貸物件に変り
毎月の家賃は発生しますが
仕事を続けていけば生活は維持できる状況ですし
諸々の返済・支払した後、
手元にも多少のお金が残っています。

せっかく手に入れたご自宅を
手放すことに手を貸してしまったことに
申し訳ない思いもあります。

しかし
今でも元気に過ごしていらっしゃるのを拝見すると
あのときの判断や行動は間違えではなかったものと
思うようにしています。