日本列島もこれだけ暑いと
紅葉が12月にズレ込むのも
そう遠い未来でもないでしょう。
さて、
不動産の売買の重要なイベントに
契約と決済(残代金の決済・所有権の移転)があります。
通常は
契約と決済とは
別の日で行なうのが一般的ですが
買主が現金で購入する場合は
契約と決済を同日で行なうこともあります。
そんな契約と決済の前日には
不動産屋は売主と買主の両方に
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明日の契約(決済)は宜しくお願いします
と確認の連絡を入れるものです。
以前は電話にて直接会話していましたが
今は、メールやLINEで済ますこともあります。
一見、事務的な連絡のように思いますが
この売主や買主への前日の連絡は、
不動産屋になって何年経っても
結構ドキドキするものです。
と言うのは
不動産の売買は
高額な商品の取引であるとともに
その背景には色々な思いが関わっているものなので
売主・買主ともに、契約や決済のサインをするまで
気持ちが揺らいだり不安になることもあるものです。
そんな背景がある中で、
もし不動産屋から何の連絡も無ければ
そのままの流れで無事に契約や決済を迎えていたものが
前日に不動産屋から連絡をしたことがキッカケとなり
せっかく落ち着いていた気持ちや不安が再燃してしまい
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やっぱり明日の契約(決済)は止めます
と言われるのでは無いかと
不安に思うからです。
これまでの経験で
実際に前日にキャンセルになった例はありませんが
何年経ってもそんな不安は変わらないものです。
ですので
契約や決済の前日に
売主さんや買主さんに確認の連絡を入れ
先方から
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こちらこそ宜しくお願いします。
と返信があると
とてもホッとするものです。
そんな中
以前、ある物件の契約の前日に
いつも通り売主さんと買主さんに
翌日の確認の連絡をしました。
何の変化も無く
どちらからも「明日は宜しくお願いします。」との
返事があり、翌日の契約を迎えました。
しかし、契約当日、
予定の時間の直前になっても
買主さんが契約場所に現われません。
沖縄には、
「うちなータイム(沖縄時間)」があると言いますが
さすがに不動産の売買では
みなさん定時運行なものです。
心配になり
買主さんの携帯に電話すると
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さっきから待っているけど誰も来ないさ~
買主さんは
契約場所を間違えていらっしゃいました。
不動産の契約は
不動産屋の事務所で行なうケースが多いのですが
この時は、契約印の持ち出しの制約もあり
法人である売主さんの事務所で
契約を行なう段取りとなっていました。
それを
買主さんは自分の事務所で
契約を行なうものと勘違いし
待てど暮らせど誰も来ずにモンモンとしていたようです。
買主さんには
正しい場所に向ってもらうよう伝えるとともに
売主さんにも事情を話しました。
災い
売主さんも良い人でしたので
買主さんが到着するまで
お待ち頂くことで了解を頂けましたが
もしアレな売主さんだったら
その場で契約の取り止めを言い出す人もいるかも知れません。
また
契約場所を間違えた買主さんの方も
気持ちが萎えてしまって、
同様に取り止めを言い出す可能性もあるでしょう。
この経験を通し
契約や決済の前日に不動産屋が
売主や買主に確認の連絡を入れることは
キャンセルに対する不動産屋の不安なんかよりも
実務として必要な行為だと
気を引き締めてあらためて思いました。。