県外では初雪となるところもあるようですね。
ホワイトクリスマスがうらやましいです。
さて、
不動産には競売という制度が有ります。
競売は大まかに言うと
住宅ローンの返済や税金の支払いが滞った際に
その人が所有する不動産を売却し
その売買代金から債権を回収するという仕組みです。
しかし、
一般の不動産売買と異なり
競売になった不動産は
不動産鑑定士によって安く見積もられた金額から
スタートするため、競売で落札されても
借金が全て返済されない場合も多いものです。
そうすると、債務者からすると
競売で不動産を取上げられた上に
その後も借金の返済が続くという
非常にツライものでもあります。
この競売物件の中には
債務者が住んだままの状態で
競売が実行されるものもあります。
たとえば
住宅ローンの返済が厳しくなって
金融機関から競売を申立てられたような場合には
その住宅に家族が住んでいる状態のまま競売が実行され
落札により新しい所有者が決定することになります。
競売は
資料をもとにした事前の調査や
競売入札に参加するための手続きなど
やや複雑な手続きと落札時に予想される
リスクの分析等が必要となります。
また、実際に落札した場合には
名義の変更や不動産の引渡し等の
やや複雑な手続きが必要となります。
そこで、
これらの複雑な手続きと
落札後のリスクを小さくするために
不動産業者が有償で競売手続きの代行を行うこともあります。
ほとんどの場合
競売の落札による新しい所有者は
そこに住んでいる債務者の家族に
家から出て行くことを希望します。
しかし
そこに住んでいる債務者は
お金が無くて困っている訳ですので
引越しをするお金もありませんし
引越し先を見つけることも出来ないものです。
そうすると、そこには
物件から出て行って欲しい新しい所有者と
そこに住み続けたい債務者との間での
意志の相違が発生します。
競売には、債務者の意志に関係無く
強制的に退去させる「強制執行」という
法律上の手続きがありますが
落札者がこれを行うには、
費用と月日が必要となるため
強制執行はあくまでも最終手段です。
そうすると
競売の落札者と債務者との間で
強制執行をしないで退去してもらうという
交渉が必要となります。
しかし、一般の方は
債務者との交渉はなかなか難しいものです。
先程の競売代行を行う不動産業者の中には
この債権者との交渉を行うところもありますが
これは「非弁行為」にあたる可能性が高いものです。
「非弁行為」とは
弁護士の資格を持たない者が
報酬を得る目的で法律事務を業として行うことで
弁護士法違反となります。
つまり債務者との対応においても
独自に交渉を行ったりするのは
非弁行為にあたる可能性が高いです。
ですので
不動産業者が競売代行で行えるのは
落札者の意見をそのまま伝えたり
それに対する債務者の反応を落札者に報告するなど
伝書鳩のような行為のみです。
この話は、競売に限らず
不動産業者が賃貸物件の入居者と
独自に立ち退きの交渉を行うことも
非弁行為にあたる可能性がありますので
注意が必要です。