この時期はGW期間中の天気が
気になるお年頃ですね。
さて、
そんな連休前の本日から
不動産の相続に関する新しい制度がスタートしました。
その名称は
【相続土地国庫帰属制度】です。
漢字ばかりが並べられた
いかにもお役所らしい
分かりにくい感のある名称ですが
そこに「てにをは」等をつけると
内容は容易にイメージ出来ます。
「相続した土地を国庫に帰属させる制度」
親御さんの死亡に伴い
相続した不動産に含まれる土地で
「一定の条件」を満たすものについては
有償で国に引き取ってもらうことが出来るという制度です。
親元や実家を離れて暮らしている人や
土地の管理が出来ない人たちにとっては
ニーズのあるものと思われます。
国が引き取ってくれる「一定の条件」とは
簡単に言うと「管理の手間が掛からないもの」です。
国の立場からすると
「引き取ってはあげるけど、手間の掛かるもの引き取りません」という
ごもっともなスタンスです。
具体的には
・建物が建っているもの
・境界がハッキリしていないもの
・境界を含め第三者とトラブルがあるもの
・高さの高い土地・急勾配な土地
などが引き取ってくれない土地です。
まぁ、今回の制度で
国がその効果を想定しているのは
住宅地域の空き家や空地になっている土地で
現在近隣に何らかの迷惑を掛けていたり
今後迷惑をかける可能性がある土地でしょう。
そして、
これらの土地に建物が建っている場合は
それらを解体し、近隣との境界も明確にした上で
国が引取っていけば、今後の空き家・空地問題も
いくらか解消するだろうという目論見です。
ちなみに
今回、引取りの対象となるのは
制度前のものでもOKですので
数十年前に相続した土地でも対象となります。
また、引取りにあたっては
今後10年分の管理費に相当する上納金も必要です。
上納金は数十万円~百万円くらい
今回の新しい制度は
空き家や空地の管理に困っている人たちにとっては
選択の一つとしての位置付けと思われますが
相続や資産管理の一つの手法として
不動産業者としてもアドバイスが求められます。
【相続土地国庫帰属制度】の概要
→ 法務省のHP(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html)