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不動産売買に仮契約など存在しません

いろいろな問題が発覚しましたが
日本の「顔」である東京がまだマトモで良かったです。

さて
不動産の売買では
取引に慣れたお客さんが
一定の割合でいらっしゃるものです。

収益物件の買い増しや
自宅の買換えなど
不動産の売買を繰り返し行なっていくうちに
取引の流れや手続きが自然と身に付いていくものです。

そうやって
流れや手続きが予め理解出来ていれば
そのパワーを別のところに費やすことができるため
効率的な取引が出来るものです。

そんな不動産の取引に
小慣れたお客さんの中には
「仮契約」という表現を使う方もいらっしゃいます。

不動産の売買では、多くの場合、
契約の締結と所有権の移転とを
別々の日に分けて実施するケースが多いものです。

とくに
不動産の購入に際し
金融機関の融資を利用する人は
まず不動産の売買契約を先に済ませ
その後に金融機関に融資の申込手続きを行ないます。

その後、
1ヶ月程度で金融機関の審査が通ると
別途決済日を設定し、売主に残代金を支払って
所有権の移転を行なうという流れになります。

この流れにおいて
不動産の取引に小慣れた人の中には
最初に締結する売買契約を「仮契約」と呼び
所有権の移転を行なう手続きを「本契約」と
呼んだりするのです。

しかしながら
不動産の売買には
「仮約約」など存在しません。

確かに
買主側の金融機関の融資の
審査が通らなかった場合には
いわゆる「ローン特約」によって
契約を解除することになります。

しかし、これも
当初の契約のうちの
「ローン特約」という規定に従って契約を解除するだけであり
最初から契約が無かったことになる訳ではありません。

ですので
最初に契約書にサインをして
手付金の授受を行なうのが
正式な契約であり
仮契約などではありません。

ちなみに
不動産に小慣れた人が
決済の時を「本契約」だと誤解をする理由の一つは
決済当日に司法書士が準備する書類への署名捺印を
「本契約」だと勘違いされているケースが多いようです。

しかし、決済の際に署名捺印をする書類は
所有権を移転登記するための申請書です。

それを「本契約」という言い方も出来なくはありませんが
登記の申請書には、契約の条文にあたる規定等はありません。

言葉尻をとらえた
屁理屈みたいな話で恐縮ですが
「仮契約」という名称が付いたために
契約の行為に軽い気持ちで
臨んで頂きたくないものです。

ですので
不動産には「仮契約」など存在しない
という気持ちで、
しっかり準備と確認を行なって下さい。