春を通り越して
夏日になりそうな今日の沖縄です。
さて、
昭和時代の不動産取引の特徴に
【原野商法】があります。
原野商法とは
ほとんど価値の無い原野や山林を
不動産業者が
この土地は将来値上がりしますよ~
と言葉巧みに売り込み、
購入させる悪徳商法です。
同じ不動産業者の立場からすると
どうしてこんな手口に引っ掛かるのだろうか・・・
と不思議に思うものですが
原野商法が横行した当時の日本は
景気も常に右肩上がりで
「土地は必ず値上がりする」という土地神話が
存在しました。
また、
購入の目的も投機目的であり
ハナから暫くしたら直ぐに転売するつもりですので
わざわざ現地を見に行くこともせず
不動産業者から
大体この辺です
と地図や公図を示されると
それを鵜呑みにして購入した時代です。
以前、原野商法に携わっていたという
不動産業者の知り合いがいますが
この手口で当時は相当儲かったそうです。(笑)
沖縄でも原野商法が横行した時期がありましたが、
沖縄の場合はリゾート地でもあることから
「リゾート地一帯の開発分譲」をセールストークに
実態は坪あたり数千円程度すれば御の字の土地が
坪あたり数万円で販売されたものでした。
以前、原野商法に引っ掛かり
土地を購入してしまったと言う所有者さんから
土地の売却についての相談を頂いたことがあります。
「海の近くのリゾート地」に惹かれ
将来の値上がりを楽しみに購入したという土地を
実際に現地を見に行きました。
ご多分にもれず、当時は
「○○リゾート」といった類いのネーミングが
付いていたという土地は
さすがに山林では有りませんが
どう見ても原野です。(苦笑)
一帯には水道の引込みも無く
また、敷地にいたる道路の権利関係も
ぐちゃぐちゃでした。
これでは、次に購入するお客様に
安心してお勧めすることが出来ないどころか
ババを押しつけ合う、ババ抜き状態でした。(苦笑)
残念ながら
売却の相談を頂いた土地の所有者さんにも
そのことをお伝えするとともに
将来、何か偶発的なことが起きない限り
このまま塩漬け状態となる可能性があることも
お伝えさせて頂きました。
沖縄にもこのような原野商法の対象となった土地が
いくつかありますが、これらの土地が
不動産業者の紹介で、あたかも通常の土地のごとく
売りに出されているのをタマに見かけます。
原野商法の第二章でしょうか。(笑)
原野商法に限らず、今でも
オーナーチェンジ物件は
賃借人が居住中のため内覧が出来ないことから
現地を確認しないで購入する人もいらっしゃいます。
確かに内覧は出来なくても
せめて外観くらいは確認するようにしましょう。
また、数年前に
タワマンが流行り出した頃
不動産業者は
タワマンは相続税の節税効果バツグンです
とうたい文句にしていましたが
まもなく税務署の御法度になってしまいました。(笑)
昭和の時代の不動産取引のシンボルの一つである原野商法は
平成から令和と時代が変わっても
その後も形を変え
不動産業界でしっかり継承されています。(笑)