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競売件数の減少で沖縄の競売市場は暗黒時代?

徐々に天候が回復している週末の沖縄です。

さて、
沖縄のとある地方新聞で
「沖縄の不動産競売の件数が減少し
任売が増加している」という記事がありました。

沖縄は不動産の価格が高止まりしていますので
競売の入札(開札)が行われる前に
任意売却により売買の交渉が成立するケースも
増えていそうだということは
何となく想像出来ます。

ですが、コロナ禍により
経済的にも厳しい時期が続いているのに対し
競売の件数自体が減少しているというのは
チョット疑問に思う点もあり
少し確認してみました。

開札が実施された件数でみると
2021年度:89件
2022年度:65件
と確かに減少しています。

しかしながら
今年度の2023年度は
まだ4月が始まったばかりにもかかわらず
開札の実施件数は32件あります。

不動産の競売は
物件の公表から落札者の決定まで
約1ヶ月半の期間が空くケースが多いです。

ですので
2023年度に開札が実施された32件は
2022年度中に物件の公表がされたものですので
実質的には2022年度の数にカウントしても
良いくらいです。

そう考えると
2021年度も2022年度も
入札件数は同等くらいになることも想定されることから
「沖縄は競売の件数が減少している」
とマスコミさんが記事にするほどの状況では
無いかも知れません。(笑)

その一方で
競売として物件の公表がされたあと
開札の実施までに任意売却で取り下げになった件数までは
調べ切れていません。

しかし、ここ数年の
競売での落札価格の上昇傾向を考慮すると
債権者がわざわざ回収の金額を下げてまで
任意売却に応じなくてもいいのではないか
という考え方もあります。

つまり任意売却に応じなくても
競売の落札による債権の回収もままでも
債権者は良いではないか
と言うことも考えられます。

ちなみに、競売物件は
落札者が決定し、
競売代金が裁判所に振込まれると
抵当権等の債権者の登記は抹消され
キレイな登記簿となって
落札者へ所有権の移転が行われます。

しかし、その一方で
競売になった債務者は
競売が完了しても返済が完全に無くなった訳ではありません。

競売で落札されたあとも
債権者から残債務の返済を求められることになります。

いずれにせよ
沖縄の不動産は、競売になった物件でも
高値で落札されるケースも多いくらい
高値が安定していると言うことです。