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土地の所有者の絶大な権力と責任

夜半にザッと降った雨のおかげで
一日のスタートの気温がグッと下がった沖縄です。

さて、
人は一生に一度は
不動産の所有に憧れる時期があると言います。(笑)

ひと昔前には
一戸建ての家を所有することが
「一国一城の主(あるじ)」として
ステータスになった時代もありました。

当時、一戸建ては
土地も所有しているという面で
分譲マンションと比較して
高く評価されていました。

その後、時代は変り
一戸建てに限らず
分譲マンションも「一国一城の主」として
同様の地位を獲得するようになりました。
そして、今では、一戸建てよりも
タワマンの所有者の方が
羨望の眼差しで見られる扱いです。(笑)

このように
一戸建ても分譲マンションも
どちらも実質的には土地を所有していることになりますが
昔から「土地の所有者」には大きな権限がありました。

例えば
世の中には、自分の敷地に出入りするのに
他人の土地を通行しなければならないような土地は
意外と沢山あるものです。

しかし、これまでは
昔からの近所付き合い等で
たまたまモメることはなかったケースも
多々あります。

しかしながら
売買による所有者の変更や
相続や世代交代の発生に伴い
地主が権力を発動し
自分の土地の通行に対し
通行料等を請求されるようになったり
お金を支払わない場合は通路を閉鎖するなど
問題が勃発しているケースも出てきています。

このようなケースは
それまでの経緯が絡んでいるなど
ケースバイケースであり
最終的には訴訟で争ってみないと
法律的な決着は不明です。

また、
他人の通路の奥にある既存の住宅で
建替えを行なおうとする時には
通路の所有者の承諾が必要なケースも
よくあります。

このように
土地の所有者は
絶大なる権力を持っていることも多く
彼らの返事や対応次第で
困る人が出てくるのはよくあることです。


じゃあ、土地の所有者ってヤリたい放題じゃないですか。あはっ

そうでもありません。

土地の所有者は権限だけでなく
大きな責任も負っていることは
あまり注目されないものです。

例えば
以前も書きましたが
2020年に神奈川県の逗子で
分譲マンションの斜面が崩れ
たまたま通りがかった女子高生が
亡くなったという事件がありました。

不動産の自然災害・人災よりも再発防止

その後
女子高生の遺族は
斜面の所有者であるマンションの所有者と管理組合を
訴えていましたが
先月、マンションの所有者と管理組合は
1億円の損害賠償を支払うことで和解しました。

「土地の所有者が必要な維持管理を行なっていなかった」
という観点です。

おそらくこのマンションは
損害賠償保険に加入していますので
損害賠償金は保険会社から支払われ、
マンションの所有者や管理組合が
自らのお金を捻出することはないと思われます。

ですが管理責任があったことには
変わりはありません。

ちなみに
沖縄には築年数の関係上
火災保険に加入できないマンションもあります。

その場合、
先程の事故のようなケースでは
損害賠償金はそれぞれの居住者が
支払うことになります。

沖縄に多いと言われる
「任意保険に加入していない車」に
乗っているようなものです。(苦笑)

このように
一戸建てであっても
分所マンションであっても
土地や不動産を所有すると言うことは
管理をはじめそれなりの責任も伴うと言うことです。