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志の高い不動産売買をされる人

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さて
不動産の売買は
それに関わる人たちの
感情にも大きく影響するものです。

その理由として
「不動産は大きなお金が動くため
それに対する欲が伴うため」とよく言われます。

その通りではありますが
それ以外にも、とくに売主側には
別の感情も伴うケースも多いものです。

それは、
取引の対象となる不動産への愛着です。

不動産の売買において
余程の事情が無い限り、
買主側はイザとなれば別の不動産でも
代替が利くことがあります。

しかしながら、売主の場合は
売却する物件は自らの物件であり
代替えが利きません。

また、自宅の売却など
売主がそこに住んでいた不動産に対しては
家族との思い出とともに愛着があるものです。

また、
居住用の不動産に限らず、
土地等の場合でも
売主やその家系が
その不動産に長年関わってきた場合には
愛着があるのは自然のことです。

ですので
売主が不動産の売却を行なう際には
「この物件を大切にしてくれる良い人に買って欲しい」
と望むのです。

しかしながら、現実的には
その物件に対しての購入希望者が表れたときに
その人が、本当にその不動産を大切にしてくれる人なのか
また良い人なのかはナカナカ分からないものです。

売主が、購入希望者と顔を合わす機会があるとすると
内覧時・契約時・決済時くらいです。

場合によっては
売主と買主とが一度も顔を合わせないで
所有権の移転が完結してしまうケースもあります。

また、決済時までは
良さそうな買主でも
引渡しを受けた後に
豹変する可能性があるのも世の常です。(笑)

また、売主側も
「良い人に買って欲しい」と言いながらも
最終的には、より高い金額で買ってくれる人という
金額面で選ぶこともよくあるものです。(笑)

そんな中、少し前になりますが
以前、他県にてこのような事例がありました。

土地の売却を検討していた売主が


この土地は愛着があるので
住宅や別荘用として使う人に買って欲しい

という思いで買主を募集していました。

そこに


居住用又は別荘用地として使用します

 

として購入希望者が表れました。

その後、話はトントンと進み
契約~決済~所有権移転が完了しました。

しかし、暫くして
買主がその土地で太陽光発電事業を行なう
ということが判明しました。

それを知った売主は


それは話が違う、太陽光発電事業に使うんだったら
オタクには売却しなかった

として錯誤(勘違い)による契約の無効を
裁判所に提訴しました。

売主が受領済の売買代金も
返金する前提での覚悟です。

裁判の結果
売主の主張が認められ
契約は無効となり
買主の太陽光発電事業は白紙となるとともに
土地は再び売主の名義に戻されました。

世の中には、
目先のお金に目がくらむこともなく
志の高い不動産売買を貫徹される人がいらっしゃる
という珍しいケースです。太陽光発電事業もすっかり迷惑施設扱い