ご多分にもれず朝晩が急激に涼しくなってきた沖縄です。
さて、不動産の相談にはいろいろな内容がありますが
最近はお墓についての相談も増えています。
ご先祖様を大切にする文化のより強い沖縄では
そのご先祖様が入っていらっしゃるお墓の扱いも特別です。
人が住む土地よりも
より景色の良い高台にお墓を設けたり
春先の清明祭ではお墓に親族等が集まり
賑やかにお墓参りをします。
また
お墓によっては何十もの親戚が
一つのお墓に入っていらっしゃる「門中墓」というものもあり
毎年親戚が持ち回りでお墓の管理をする文化もあります。
このようにお墓をより大切にする沖縄ですが
最近は相続に伴い「お墓をどうしたらいいか」
という相談をいただくことがあります。
もちろん、
これまでも相続人がお墓を相続し
今後もお墓の管理をして行くことが望ましいのですが
子供たちが県外で独立をし、沖縄に戻る見込みがないとか
独身の子どもに跡取りが出来る見込みがなく
以降はお墓を管理してくれる人が期待できない等の状況も
発生しているケースを聞きます。
これらを背景に
自分たちが生きているうちに
ご先祖様のお墓を永代供養し
自分たちが亡くなった後も
同様にしてもらうことを考えていらっしゃる親御さんも増えてきています。
また
その永代供養のケースも
お寺等に永代供養をお願いするのではなく
県外からでもインターネットのバーチャル上でお墓参りができるような
永代供養を検討されている方もいらっしゃいます。
親御さんたちからすると
自分たちの代でそのような仕組みに変えておけば
自分たちに相続が発生した際も
県外に居る子供たちや独身の子どもたちにも
負担をかけなくて済むだろうという考え方です。
これらは、今の時代
大変合理的であり、また現実的であります。
そして、実際に
そのような選択をされている方々も増えているといいます。
お墓の相続について
当社に相談があった際も
このような選択肢があることを情報提供させていただくことがあります。
しかし、同時に
これらはあくまでも現代の流れにおける選択肢の一つであり
最終的には当事者で判断されることをお伝えしております。
いくら世の中の流れであったとしても
当事者たちには色々な思いがあるものです。
何だかんだ言っても
自分たちの生まれた故郷ですし
その源となるご先祖様たちが入っていらっしゃるお墓ですので
それらを大切にしていこうという思いは
多くの人が持っています。
ですので、
いくら世の中の流れや現実的であったとしても
当事者の方々がこれまで通りのお墓の相続と存続を希望されるのであれば
それがベターな選択であることには間違いありません。
不動産業者は、仕事がら
世の中の流れに伴ういろいろな情報を知っているだけに
ついそれがベターな選択肢であるように洗脳されがちですが
やはり最終的には、当事者の方々のお墓やご先祖様や相続に対する思いをもとに
どうするかを決定するのが望ましい判断だと思います。