全国的に冷え冷えですね。
さて、
不動産には「競売」という仕組みが存在します。
「競売」という仕組みは不動産に限らず
美術品や骨董品や中古品などの売買で
価格を競り上げていくオークションのような販売方法も
広義の意味では競売です。
これに対し
不動産の競売の場合は「強制力」があるという点で
これらの競売とは一線を画しています。
具体的には、
住宅ローンなどの借入が返済できなくなった場合に、
債権者の申立てにより、
裁判所が債務者の不動産を「強制的」に売却し、
その売却代金から、債権を回収することになります。
不動産市場の高騰により
近年は競売の落札額も高めとなっています。
これは、競売で落札した物件を
リフォームして再販売しようとする不動産業者が
他の競売参加者に負けまいと
高値で落札をする傾向があるのが一つの理由です。
また、ひと昔前は
「競売」というと反社な方々やアレな
不動産業者が絡んでいるのがご定番でしたが、
最近は法律がすっかり整備されたことにより、
一般の方々が競売に参加してもかなり安全になりました。
それにより
一般の方々が競売に参画する機会も増え、
競売での落札を目論む不動産業者のライバルが増えたことも
競売における落札価格が高めとなっている要因でもあります。
しかし、法律上はかなり安全になった競売であっても
不動産の競売にはいろいろなタイプがあるため
不動産についての基本的なことをしっかり見極める知識がないと
価格が安いからといって安易に競売に参加し
落札すると、大きな痛手を食うこともありますので
注意が必要です。
大まかな例としては
「借地」の物件や「共有名義」の物件などがあります。
借地にも賃借権や使用貸借権などの権利がありますが、
一般的にはいずれも手を出さない方が無難です。
共有名義の物件も、
持分の全てが競売の対象となっており、
落札により所有権の全てが取得できるのであれば
チャレンジしても良いでしょう。
しかし
共有名義のうち一部分のみが競売の対象となっている場合は、
競売で落札出来ても、その不動産は全て自分のものになる訳ではなく、
競売にならなかった残りの名義人との共有名義となります。
自分の家なのに実はアカの他人との共有名義である
という状況を想像してみると、
いかにヤバいかが分かると思います。
冷たい言い方をすると、もし
それが分からないようであるとすると
競売物件に手を出すのはやめた方が良いと思います。
借地や共有名義以外にも
不動産の競売にはいろいろなケースがあり、
そこには様々なリスクが潜んでいるものです。
まずは、ネットに公表される競売の資料から、
これらの状況とリスクを的確に分析することが、
競売不動産へのチャレンジの最初の一歩です。