「日本語が通じない」とはまさに今の状況ですね。(苦笑)
さて
不動産の売却相談の中には
「実家を売却したい」というものもあります。
正確には
「本当は売りたくないけど、売却しなければならなくなりました」
と言うのが正しい言い方かも知れません。
実家には
両親や祖父母や兄弟との思い出や
自分の成長の記憶が詰まっており
自分がこの世に生きてきた
確かな証(あかし)でもあります。
そんな実家は
いつまでも存続していて欲しいものです。
しかしながら、現実は
なかなか上手く行かないものです。
たとえば
自分たちの兄弟の代くらいまでは
兄弟のうち長男をはじめとする誰かが
頑張って実家を継いで
守ってくれるということもあるでしょう。
しかし、それも大変なことであり
その次の世代の子供たちは
進学や就職で都会に出て行ってしまうものです。
県外からの移住先として
人気の高い沖縄でさえもそうですので
人口減少の進む地方のまちなどでは
魅力的な進路を見つけるのが難しいという面を含めて
子供たちは県外に出て行ってしまう傾向があります。
こうして
実家を守ってくれる跡継ぎがいなくなり
泣く泣く実家を売却せざるを得ない
ケースも多いものです。
自分たちの世代くらいまでは
正月やお盆には両親が育った実家に行くという
風習がありましたが、
もうそういった時代でもなくなって来つつあります。
とくに、
地価や不動産価格の高い都会では
実家を相続するにも
高額な相続税の負担が伴いますので
相続せずに売却するということもあります。
また、
そもそも都会のマンション暮らしの場合は
「実家」という感覚も軽薄かも知れません。
実家を売却するということは
自分たちが生きてきた物理的な証が
第三者のものになってしまうということでもありますので
残るのは記憶の中のみとなります。
そう考えると
淋しいことではありますが
そういう時代なんでしょう。
実家を売却することは
大変な勇気の要ることです。