メリークリスマスですね。
さて、
相続に関する相談の中には
「実家をどうしたら良いか」という
内容も多いものです。
自分たちが生まれ育った実家ですので
特別な思い入れと思い出があるのは当然のことです。
そんな背景もあって
相続が発生した後も
誰も使うことも無く
空き家の状態が続いている実家は
世の中にたくさんあります。
もちろん、中には
相続人のうちの誰かが
実家に移り住むということも
検討材料の一つにはなっていても
実際に住むとなると
大がかりなリフォームが必要となり
その費用負担も大きな問題となります。
しかしながら
不動産は居住中・空き家に限らず
固定資産税等の維持費は必要となります。
通常、不動産は
建物が建っていると
土地の評価が6分の1になるため(200㎡超は3分の1)
固定資産税も6分の1に軽減されるという特例が使われています。
しかし、いくら建物が建っていても
それが管理不全の空き家とみなされると
6分の1の特例が適用されなくなり
その結果、土地の固定資産税が6倍になるという
ペナルティーを受けることになります。
また、相続した実家については
これまでの風習で
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3回忌が終わるまではそのままにしておきます。
と考える人は普通にいらっしゃいます。
しかしながら
社会としては、先程のような
管理不全の空き家を増やさないようにしたいという背景から
「空き家特例」という税制面での優遇措置があるということは
世間でもあまり知られていません。国交省のPR不足
そのため、知らないうちに
高額の節税の機会を失っている場合も多々あります。
「空き家特例」は
2023年12月に施行された新しい法律です。
結論から言うと
親御さんが住んでいた実家を
相続が発生してから3年以内に売却すると
利益のうち3,000万円までは控除できるという
優れものです。(相続人の数が3名以上の場合は
控除の金額は2,000万円)
この特例を利用するには
いくつかの条件がありますので
主なものを下記にて列記します。
・相続が開始される直前まで被相続人が住んでいたこと
(老人ホーム等に住んでいた場合でもOK)
・空き家となった後に親族の住居や賃貸物件として
使用されていないこと
・旧耐震(昭和56年5月31日以前)の建物であること
・売却する前に又は売却後に既存の建物が解体されること
(詳細は国交省のHPを参照下さい)
仮に
この3,000万円の特例を利用しなかった場合
3,000万円の譲渡所得(長期)に対する税金は約20%ですので、
計算上は600万円の税金が発生することになります。
思い出と思い入れの詰まった実家を
売却することはたいへん勇気のいることですが
その判断と行動は3回忌を待たずに行った方が良いのが
税制面から見た今の社会の実情です。