今年の沖縄は空梅雨なのですが
タマに降る雨が半端なくどしゃ降りです。気性が気象がハゲしい
さて
不動産の売買に携わっていると
世の中には共有名義の不動産が多いことを
あらためて感じます。
共有名義にも色々なパターンが有り
ローンの借入金額やローン減税の観点から
自宅を夫婦での共有名義としているもの。
また、親から相続した不動産を
兄弟での共有名義にしているもの。
これらは血のつながっている
親族間での共有名義ですが
それ以外にも、単なる利害関係者での
共有名義としている不動産もたくさんあります。
例えば、
敷地の前面道路を
隣地所有者間での共有名義としているもの。
中には、共同プロジェクトのように
一つの事業に関わるメンバーで
土地や建物を共有名義とし
その持ち分に応じて
事業に伴う利益を分配しているケースもあります。
血縁の有無に関わらず
共有名義の不動産は
平穏無事で何事もない状態であれば
日頃は特段の問題も発生しません。
しかしながら
共有名義の所有者のうち一人でも
その調和を乱す者があらわれた時には
共有名義人全体がストレスを感じる状態に
陥ることにもなります。
具体的な例を挙げると
沖縄のある地域に、
数十年前に宅地分譲された
数軒の住宅街がありました。
その住宅街の前面道路は、ご多分に漏れず
住宅街に住む人たち全員での共有名義の私道となっていました。
住宅の購入に際し
私道の使用については
何の取り決めもありませんでした
そして、そこに住む人たちは、
暗黙の了解で、次第に自分たちの家の前の私道部分を
それぞれの家の駐車スペースとして利用するようになりました。
駐車できる台数は家によって異なり
中には、自分の駐車スペースに
ペンキで枠を書いている住人もいました。
この状態が何十年も続いていましたが
住民の中で特段の問題になることは無かったそうです。
しかし、あるとき
住民の中の一人が
自宅を売却することになり、
間もなく買い手が見つかりました。
あらたにその家の所有者となった人は
自分の自宅の前の道路部分に
車が1台しか駐車できないことを不満に思い
パンドラの箱を開けてしまいました。(笑)
そもそも共有名義である土地を、勝手に駐車スペースとするのは如何なものか!
それまで何十年間も
何ごとも問題なく駐車スペースとして使用してきた住人らは
新たな共有名義人からの突然の空爆に困惑しました。
その指摘は建前論で言えば
ごもっとであるぶん、強く反論も出来ませんでした。
結局、
あらたな共有名義人の主張を止めることは出来ず、
その人に住宅を売却した前所有者にまで
火の粉が飛ぶことになりました。
前所有者は針のむしろ状態となりました。
話し合いは紛糾し、
結局、共有名義の私道の中に
あらたな共有名義人のための駐車スペースを
もう1台分確保することになりました。
あらたな所有者のゴネ得の結末です。どっかみたい
それとともに
この住宅街に存在した
「駐車して良いのは自分の家の前だけ」という
暗黙の了解のルールが破られたという
前例が出来てしまいました。
そして、
また別の誰かが住宅を売却した際には
同じようなことが起きる可能性を
抱え続けることになりました。
この話しは、
少し極端な例ですが
世の中には「なんくるないさ~」では済まない
共有名義の不動産がたくさん存在します。
今はタマタマそれが問題になっていないだけであり
共有名義人のうち誰か一人に変動や心変わりがあると
問題が勃発する可能性を秘めています。
しかしながら
共有名義にはメリットもあるため
世の中から共有名義の不動産が無くなることはありません。
ですので、
何らかの事情で不動産を共有名義にする際には、
想定される範囲かつその都度で構わないので
取り決め事を書面で残しておくことが望ましいです。
しかしながら、
取り決め事をするのにも相手があることですし、
そもそも取り決め事を表沙汰にすることによって
せっかく上手くいっていることに
わざわざ問題を投下することにもなりますので
判断の難しいところでもあります。せっかく寝かしつけた子供をまた起こすことになる
このあたりは、
それぞれの状況ごとに
不動産業者と相談して対応していくのが良いと思います。