今週からのポカポカ陽気に
期待ほっこりの沖縄です。
さて、日本において
分譲マンションの人気が根強いのには
いくつかの理由がありますが
その一つに立地の良さがあります。
狭い国土の少ない平地の中に
街が形成されている日本においては
皆さん「我、先に」と立地の良いところに
住もうとするものです。
その限られたエリアの中での競争において
マンションは立地の良い一つの土地を
複数の居住者が共有できるというところが
メリットでもあります。
不動産という職業がら
色々な分譲マンションの情報を扱いますが
ここ数年、ある変化が発生しつつあるの
気になっています。
それはマンションの管理組合の経営面です。
難しい話は興味ないし~
ここからは、さらに専門的な話になりますので
業界関係者やマニア以外はスルーして下さい(笑)
マンションの管理組合の会計は
大きく「管理費」と「修繕積立金」の双子から成り立っています。
日本では、15年くらい前から
マンションの大規模修繕が注目されるようになり
実際に工事を実施するマンションが続出しはじめました。
築30年以上が経過しているのに
ブームに乗って初めて工事を実施したというマンションも
少なくありません。(笑)
また
大規模修繕工事の実施に際し
その原資である「修繕積立金」が不足していることが顕在化し
金融機関から融資を受けるマンションも増えました。
ちなみに、
現在、巷で騒がれているマンションの修繕積立金不足の問題は
一般庶民が知識不足であることをイイことに
マンション業界が、販売時に買い手が付きやすいように
著しく安い修繕積立金を設定していることに
諸悪の根源があるとも言われています。(笑)
これらを背景に
巷では修繕積立金の不足が認知されるようになり
修繕積立金の値上げに対しても理解がされやすいよう
世の中が変わって来ています。
しかしながら
ここ数年においては
もう一人の双子である「管理費」の会計に
変化が起こりつつあります。
管理費の会計は
管理会社への委託料や
設備の定期点検等の
日常的に発生する費用が主な出費内容です。
その管理費の会計も
つい数年前までは
必ず剰余金が発生し
その剰余金を、先程の修繕積立金の会計に
振替をするような状況でした。
つまり、管理費の会計は
修繕積立金の会計と比較すると
出来の良い方の扱いの子でした。(笑)
しかしながら、
管理費会計のうち、
まずは自然災害の増加に伴い
共用部分の火災保険料が爆上げしました。
例えば、
以前は年間20万円程度だった保険料が
現在は5倍程度までハネマンしているところもあります。
また、
ここ数年の人件費や工事資機材の値上げに伴い
管理会社への委託料はもちろん
設備の定期点検等の費用も
軒並み値上げしています。
それに伴い
管理費会計がマイナスになるマンションも
出始めています。
要は
双子とも資金が不足するようになって来た
と言うことです。
管理組合たれとも
マイナスの会計では運営できませんので
対策を講じなければなりません。
管理費の出費を減らすか
修繕積立金と同様に値上げをするしかありません。
しかしながら
先程のように、世の中は
何でもカンでも値上りしていますので
出費を減らすのは相当の困難です。
製造されてからの年数の経過とともに
設備は故障リスクが増大しますので
そんな中で点検の回数を減らすのはアレです。
思い切って、何かの設備の使用を止める等の
覚悟も必要かも知れません。
ちなみに、極端な例としては
管理費会計がマイナスとなったため
故障したエレベーターの修理が出来ず
エレベータが使用を停止しているマンションもあると聞きます。
そうなってしまうと
そのマンションの不動産としての資産価値は
なくなってしまいます。
マンションの管理組合の会計の健全性は
不動産の資産価値という観点からも
大切なポイントです。