沖縄には、
県外ではあまり馴染みの無い不動産が
いくつかあります。
その代表格が【軍用地】と【外人住宅】です。
軍用地については、
これまで何度か書いていますので
今回はそちらを参照下さい。
【外人住宅】は、一言で言うと
沖縄にある米軍関連の仕事をしている外人さんや
その家族を中心とした方々が住むお家です。
あれ~、米軍関係の外人さんは基地内に住むんじゃなかったでしたっけ?あはっ
確かにそうでしたね。
沖縄の米軍関連で働く外人さんが
重大な事件を起こすたびに
基地内での居住の義務化の徹底が指摘されます。
しかし、時が経つと徐々に
また基地外で居住する人が増え
いつのまにか基地外での居住が常態化するということを
何度も繰り返しているのが沖縄の実情です。
現実的には、
そうは行かない理由があるのです。
その理由の一つは
「米軍基地内にある住宅だけでは数が足りない」
ということです。
正確な数値ではありませんが
沖縄に在住している米軍関係の人数(家族含む)は約5.5万人で
これに対し、基地内にある住居の数は約2千戸と言われています。
この中には単身者もいればファミリーもいますが
どちらにしても住居の数が圧倒的に足りないのです。
そうすると、
基地内に住むことが出来ない人たちは
基地の外にある賃貸住宅に住まざるを得ないのです。
その受け皿の主となっているのが【外人住宅】です。
外人さんの中には
日本人向けの仕様の住宅や分譲マンションを
そのまま借りているケースもありますが、
多くは、外人さん向けに特別な仕様で建てられた【外人住宅】という
注文住宅に住むのです。
外人さん向けの特別な仕様とは、例えば
・天井が高い
・リビングをはじめ各部屋のサイズが大きい
・キッチンのサイズが大きい
・床は白いタイルの直貼り
・浴室やトイレが複数ある
・庭が広い
など、ワガママな 贅沢な仕様になっています。(笑)
これらの仕様を兼ね備えた住宅を建てるとなると
日本人向けの標準的な仕様の住宅よりも
どうしても建築費が高くなるものです。
さらに基地の外に住む外人さんは
「海が見える」など眺望の良い場所を好みますので
土地の価格も高くなるものです。
こうして、
通常の住宅よりも高い土地と建物に投資した外人住宅のオーナーさんは、
外人さんの家賃でこれらを回収しなければなりません。
ちなみに基地外に住む外人さんの家賃は
通常の日本人向けの家賃と比較し
1.5~2倍程度高いと言われています。
そして、これらの家賃は
基本的に米軍が全額補助してくれますので
取りっぱぐれがありません。
こうして、沖縄では
基地外に住む外人さんをターゲットとして
外人住宅を新築したり、
中古の外人住宅を購入するオーナーさんが
県内・県外にたくさんいらっしゃいます。
このような背景があり、
米軍基地関連で働く外人さんたちが
全て基地内で住むという訳にはいきませんし、
そうされては困るのです。
【外人住宅】というビジネスが存在し
それにより恩恵を受けている不動産業者やオーナーさんがいますので
それらは今でも継続しているのです。