沖縄の不動産売買専門情報サイト|中古マンション|中古住宅|売土地|外人住宅|軍用地|収益物件|居抜き物件

沖縄不動産の売買情報

沖縄不動産の売買無料査定依頼

株式会社沖縄ネット不動産
9:00~18:00(定休日:日曜日・祝祭日)

○○の追い風により私道を使用する際の承諾料やハンコ代がもらえなくなっています

前線の通過により
パンツまでびしょ濡れになるくらいの
大雨が降った沖縄です。(笑)

さて、私たちは
「人に物を貸してあげる」という概念を
赤ちゃんの頃に教えてもらうものです。

それまでは、
例えばオモチャについても
「これは自分の物」という意識が強く
誰かが自分のオモチャを触ったりすると
それを取上げたり、場合によっては
ブン殴ったりするものです。(笑)

しかし、自分のオモチャを
誰かが触ったりすることを我慢した際に
母親からホメられることで
「他人に物を貸すことは偉いこと」
と徐々に覚えていくものです。

少し話は変りますが、
不動産はそれを所有している人の
「これは自分のもの」という意識が強い性質のものです。

先程の赤ちゃんの当初の時期の
オモチャのような感覚です。(笑)

ですので
他人のブロック塀や樹木の枝等が
自分の敷地内に越境していると
たとえ実害はなくても
それが許せず、日々不満が募るものです。

実際の不動産の現場において
この手のトラブルの原因となるものの一つに
私道への上下水道の配管があります。

例えば、沖縄でも
家を建てる際に
前面道路が他人の私道(私有地)
となっている土地も多いものです。

そのとき、
その私道がいわゆる「位置指定道路」等の
建築基準法で認められた道路であれば
建物を建てることは可能です。

しかしながら
建物に必要な上下水道の配管については
私道を勝手に使用することは出来ません。

やはり、
私道の所有者の了解等」が必要です

この「私道の所有者の了解等」については
以前は絶大な力を持っており
私道の所有者が「承諾」しなければ
上下水道を使用するための配管を敷設することもできない状況でした。

そのため、
所有者の承諾を得るために
「承諾料」や「ハンコ代」という名目の金銭を
要求されることも茶飯事でした。

ちなみに、この「承諾料」等は
所有者にとっては「一時所得」の扱いですので
本来は確定申告が必要なのですが
所有者によっては


領収書は切らない(書かない)から

と言って、懐に入れる地主さんも
少なくなありませんでした。(笑)

また、
今後、承諾が必要となりそうな土地をあえて購入しては
法外な承諾料を請求する反社な方々も
いらっしゃったものでした。(苦笑)

しかし、
その悪しき慣習を一蹴する
出来事が起こりました。

それは「所有者不明土地問題」です。

「所有者不明土地問題」は
元総務大臣の増田氏が座長を務めた研究会で
「現在の所有者不明土地の合計は九州と同じ面積である」
と推計したのがインパクトがありますが
当初は鼻で笑っている人もいました。(笑)

しかしながら
その後、この「所有者不明土地問題」は
不動産の世界においても
現実的な問題の解決に向け動いています。

例えば
先程の上下水道管の問題については
どうしても他人の私有地を通過しなければならない場合には
必要な範囲で「他人の土地(私有地)を使用する権利」が
民法の改正」による規定されることとなりました。

上下水道のみならず
ガスや電気・インターネット等についても
同様の扱いとなります。

これらは、例えば、
前面道路が「所有者不明土地」であった場合
これまでは土地使用の承諾を得ることは不可能でしたが、
今回の民法改正により、土地の使用権が規定されたことで
もし土地の所有者が不明であっても
一定の通知手続きを行うことで土地の使用を可能とする
という考え方がベースとなっています。

その考え方をベースとして
土地の所有者が不明でなくても
土地の使用を可能としたものです。

これにより
これまで「承諾料」や「ハンコ代」に
味をしめていた私道の所有者の方々は
それらの収入がもらえなくなりつつあります。

ちなみに
民法の改正により
「承諾料」や「ハンコ代」の支払いに応じる必要がなくなったとしても
「所有者不明土地」でなければ、土地の使用について、
私道の所有者への「通知」は必要です。

「承諾」から「通知」に変ったとしても
現実には相手のあることですので
民法の改正を知らない地主等によっては
使用を拒む人も出てくることでしょう。

その場合は、面倒ですが
民法の規定にもどつき、
使用請求権の訴訟等の手続きにより
解決を図ることになります。

また、「承諾料」や「ハンコ代」に応じる必要はなくても
上下水道の配管や設備等の敷設や設置により
土地の所有者に何らかの損害
土地の使用に制限が発生する場合は
土地の使用者はそれらを負担する必要があることも
民法では合わせて規定されています。

これらのことを考慮すると、
土地の使用に際し、場合によっては
「全く無償で」とはいかない場合もあるでしょうから
これらはケースバイケースで対応していくことになります。

当初は鼻で笑われていたこともある増田氏の問題提議も
その後、民法まで改正させ、
不動産の実務上でのトラブルを
低減させることになるという
画期的な効果を生み出すものとなっています。(笑)

参考文献(法務省HP掲載):
「複数の物が所有する私道の工事において必要な所有者の同意に関する研究報告書」
https://www.moj.go.jp/content/001374239.pdf