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断水事故の影響は沖縄の観光不動産にとどまらないの件

今回の寒波は、南国の沖縄でも
布団から出るのはそれなりにツライです。飲み過ぎのセイではありません。(笑)

ここのところ
判例ネタが多いのですが
今回も興味深い判決がありましたので
それに関連した内容です。

今回の舞台は宮古島です。

沖縄の宮古島は
「宮古ブルー」と呼ばれ
芸能人もお忍びで訪問するくらいの
日本でも有数の美しい海が特徴です。

そんな観光資源を材料に
県外・海外の豊富な資金を持った方々が
ハイグレードなホテルを建てまくっているのは
ご存じの通りです。

そんな中、
2018年に宮古島の伊良部にて
断水が発生しました。

それに伴い
島内にあるホテルで
宿泊客のキャンセル等が発生する事態になりましたが
その断水がGWの稼ぎ時であったこともあり
ホテル事業者がその損害賠償(約380万円)を求め
断水の原因となった水道施設の管理者である宮古島市を訴えました。

昨日、その判決があり
宮古島市に損害賠償(200万円)の支払が命じられました

この判決に対しては
宮古島市を訴えたホテル事業者が
県外の会社だったこともあり
「観光客が落としていくお金目当てに
県外の事業者を無秩序に誘致してきた宮古島市の自業自得」
というような厳しいご意見もあります。弁護士もナイチャーだし

しかし、今回の判決は
そんなレベルの話にとどまらないような
前例となるものだと思われます。

どういうことかと言うと
このホテル事業者の勝訴をキッカケに
同じ断水で損害を受けた他のホテルなどの宿泊施設をはじめ
当日営業が出来なかったレストランなどの飲食店なども
宮古島市に対し損害賠償請求が認められる前例が出来た
ということです。

損害を受けた方々が
地元の人であれば
「知り合いが市役所で働いているから」などの理由で
損害賠償の請求は見送るかも知れませんが
県外の事業者や県外からの移住者であれば
そんなことは関係ないでしょう。(苦笑)

今回の判決を受けて
宮古島市には損害賠償の請求が続くかも知れません。

また、
今回の判決は
宮古島市の話にとどまりません。

沖縄の各地に次々に建てられている
ハイグレードホテルをはじめとする宿泊施設や
観光施設のある市町村では
同様なリスクを抱えることが
あらためて顕在化しました。

また、水道だけでなく
電気についても同様です。

たとえば
先日、プロジェクトの概要が公表された
ヤンバルのテーマパーク「ジャングリア」がオープンした後に
管理上の不具合による断水や停電が発生した場合は
その都度、今帰仁村や沖縄電力に損害賠償が請求されるリスクが
あるということです。

沖縄電力ならばまだしも
人口9,000人足らずの今帰仁村の小さな村が
そんな請求に耐えきれないでしょう。

ホテルや観光施設が出来れば
固定資産税や雇用も増えるので
良かれと思って水道の引込みに協力したつもりが
アダとなって帰ってくる訳です。

ちなみに、
こういった発想を
不動産業界やあちら業界では
言いがかり・いちゃもん・因縁などとも言います。(笑)

また、今回の判決は
そんな仁義の世界の話にとどまりません。

損害賠償のリスクを抱えた市町村が
対策として取り得る手段としては
まず「水道施設の維持管理を徹底させること」
となるでしょう。

そうなると
これまで手付かずであった設備や部品の交換も
行なわなければなりません。また
維持管理を行なう人材も増やさなければなりません。

そうなると
それに伴う「財源」が必要になります。

水道に関して言えば「水道料金」
電気は「電気代」を値上げせざるを得ません。

こうして
今回の判決は
私たちの水道代や電気代の値上げにつながる
影響の大きいものなのです。拡大解釈・・・

ちなみに
今回の断水の原因は
1個数千円のボールタップ(浮き球)が
約40年間交換されていなかった
というものだそうです・・・。