前線の通過に伴い
雨の終末に見舞われる沖縄です。
さて、先日、
夫婦が離婚した後の住居の扱いについて
本ブログで書いたところ
コメントがありましたので
補足の記事を書かせて頂きます。
前回は共有名義の住居に
離婚後、妻が住み続けるケースでした。
今回は夫(元夫)の単独名義の住居に
妻(元妻)が住み続けるというケースです。
このケースにおいても
注意をしなければならない点があります。
その一番のポイントは
「不動産の名義人である夫と妻の居住における関係性」です。
具体的には
離婚時の合意よってその住居に住み続けることになった妻は
特段の期限もなく、無償で住み続けるでしょうから
その居住する権利は、法律的には「使用貸借」となります。
要は「タダで借りている」という関係です。
世間では
「タダほど高付くものはない」と言いますが
この「使用貸借」は民法上ではとても不安定なものなので
名義人(所有者)である夫からの要求があったら
速やかに退去しなければなりません。
要は
タダで借りていたものだから
「すぐ返して」と言われたら
それに応じなければならないという考え方です。
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それって離婚時に合意していたんだから違法じゃないですか?
実態としては
離婚時の約束をたがえて
夫から退去を求められるケースよりは
夫の債権者から立ち退きを求められるケースが現実的です。
具体的には
夫が住宅ローンの返済が厳しくなった場合に
債権者である金融機関から立ち退きを求められ
それに応じなければならないというケースです。
このように
離婚時の合意によって
妻が住居に住み続けることになった場合でも
万事安心とはいかないということです。
これらを防止するには
離婚時に妻が夫から
その住居を買取れればいいのですが
それもなかなか難しいことでしょう。
その場合、離婚時に住居を売却し、
その利益を半分ずつ分けて
財産分与を受ける選択肢もあります。
しかしながら
それも現実的に難しい場合は
使用貸借については
退去や立ち退き要求の可能性があることを理解した上で
住み続けられて下さい。