南国リゾート沖縄も
さすがに今日は冷え冷えです。
さて、不動産はその性質上
「資産価値」という観点で見られがちですが
不動産の存在意義はそれだけではありません。
住宅の場合は、
基本性能として、建物が雨風をしのぎ、
安心で平和な私たちの生活を守ってくれます。
とくに強烈な台風がやって来る沖縄では
丈夫な建物の中にいるだけで、私たちは守られています。
オフィスビルの場合は
そこで働く人たちの経済活動を支えてくれますし
テナントビルなどの商業施設の場合は、
それを利用する人たちに利便性や豊かさを与えてくれます。
しかし、
日頃は私たちを守ってくれる不動産でも
地震などの自然災害が発生すると、建物が倒壊し
その下敷きになったりして命を落としてしまうようなこともあります。
また、多くの人が居住するアパート・マンションや
不特定多数の人が利用するテナントビルや商業施設等では
いったん建物の中で火災が起きると、
多くの人が命の危険にさらされることになります。
ですので、それらの建物では
万が一の際に備え、火災警報器や消火器を設置したり
消防設備や避難設備を設置し
定期的にメンテナンスも行ないます。
これらはいずれも消防法という法律で定められたことであり
罰則もありますが、これまではどちらかというと
建物を建てるときにだけチェックがあり
その後は建物の所有者の善意に任せられている感がありました。当然、法定点検はありますが
しかしながら、近年、
県外のホテルや高齢者施設での火災により
多くの被害が出たこともあり
2014年より全国にて取り締まりが強化されました。
それを受け沖縄でも取り締まりが厳しくなり
2018年からは、那覇市と宜野湾市にて
飲食店や物品販売店やホテル等の
不特定多数の方が出入りする建物や病院、福祉施設等のうち
重大な消防法令違反がある建物を公表しはじめました。
那覇市 ⇒ https://www.city.naha.okinawa.jp/home/shobohoihan/juudaiihankouhyou.html
宜野湾市 ⇒ https://www.city.ginowan.lg.jp/soshiki/shobo/yobouka/1939.html
今回、重大な消防法令違反の対象となる中には
消防用設備等の未設置や整備不良も含まれています。
中には、
建物を建てた当時はちゃんと消防用設備は設置されていましたが
その後、数十年が経過し、
今はその設備が使用出来なくなってしまっているという建物もあります。
以前、築年数の経過とともに消防用設備も古くなり
使えなくなってしまっている
あるテナントビルのオーナーさんに
消防用設備の更新のアドバイスしたところ
これまで何十年も注意されたことが無いのに、今ごろになって
何で急に高額の費用を払って更新しなきゃいけないの。オカシイでしょう~
とお叱りを頂きました。(苦笑)
残念ながら
オカシイのはオーナーさんです。(笑)
確かに消火栓、スプリンクラー、自動火災報知器などの
消防用設備の設置や更新は高額となります。
しかし、これまで指摘がなかったからと言って
それが今後も許されるというものでもありません。
不特定多数の人が出入りする建物のオーナーとしては
その人たちの命や財産を守るための設備を
設置する義務があります。
沖縄では、首里城の火災以降
消防の取り締まりが一段と厳しくなりました。
ある分譲マンションでは
地元の消防署が抜き打ちで立入り調査を行ない
消防用設備の整備状況や防火管理体制について
チェックがあったそうです。
そして、チェック結果、
マンションの管理組合に対し
これまで注意されたことのない
防火体制の整備と消防訓練の実施を指摘されたそうです。
先程のテナントビルのオーナーさんも
マンションの管理組合にとっても
手間や費用の掛かることとは思いますが
これらは、万が一の際に
自分たちの命や財産を守るためのものです。