使っていない土地を「貸してくれ」と頼まれたときの対処法

前線の通過で、沖縄でも
洗面器をひっくり返したような大雨が降った週明けです。

さて、
不動産の仕事をしていると
他人に土地を使用されているケースに
タマに出会います。

たとえば
土地の所有者から査定を依頼され
現地の調査に行くと、
そこではじめて誰かが使っていることを
知るようなケースです。

この「誰かが使っている」というのも
ピン・キリがあり
車の駐車スペースとして使用されていたり
畑として使用されている場合もあれば、
倉庫などの小屋が設置されている場合もあります。

そのことを査定の依頼者に確認すると

言うのを忘れてましたが、知人に貸してました。

とその時にカミングアウトされるケースもあれば
地主さんも全く心当たりが無いケースもあります。

どちらのケースも
あまり喜ばしい話ではありません。

例えば、
知人に貸している場合でも
土地の所有者が主体的に貸しているケースは
ほとんどありません。

多くの場合は
知人の方から頼まれて
貸しているケースがほとんどです。

それも
知人の方から事前に頼まれたものではなく
「何かの機会に」自分の土地が勝手に使用していることが判明し
その時になってはじめて

使わないんだったら貸してくれ！

強要され と言われ

（まあ、空地にしておくのも管理が大変なんで仕方無いか・・・）

ぐらいの気持ちで、
渋々貸しているケースが多いものです。

ヒドイときには
それまでは全く面識がなく
その時にはじめて知人になる人もいらっしゃいます。

そういう意味では
土地の所有者から査定の依頼を受けて
不動産屋が現地を見に行った際に
誰かが勝手に使っていることが判明するのも
この「何かの機会」にあてはまっています。（苦笑）

いずれのケースでも
土地を売却する時には
土地の使用者には
出て行ってもらわなければなりません。

この時、
駐車場として使用している程度であれば
返却もそう難しくはないでしょう。

しかし
畑として使用しているくらいになると
土地を耕したり肥料を入れたりと
土地を使用している側にも
手間と費用が掛かっていることもありますし
収穫の楽しみを奪われるなどの感情が発生し
返却に際して「ゴネ」がはじめることもあります。

さらに
倉庫などの上物が建っていたりすると
「ゴネ」どころではなく
「この土地は自分のもの」という
勝手な思い込みも発生していることもあります。

そうなると
出て行く、出て行かないで
「モメ」ることになり
結果的に土地の売却の際に
それがネックになることもあります。

そうならないためには
いずれのケースでも、
「土地を貸す」という行為に対し
約束事を書面で取り交しておくことが大切です。

そんなの面倒臭いから

口約束で済ましたい気持ちは分かります。

しかしながら
口約束は、相手の都合のイイように
内容が変わることもあります。

また、相続などで
世代が変わってしまうと
結果的に何の約束も残っていないのと同じ状況となります。

当初は「良かれ」と思って
軽い気持ちで貸してあげたことが
年月の経過とともに、大きな負担となって
自分や子供たちの世代に帰ってくることもあるものです。

相手がゴネたり、
自分のものと主張しはじめる前しか
不動産屋はお手伝い出来ません。それ以降はお高い弁護士さんのお仕事となります