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不動産におけるプロパンガス料金への上乗せ請求の禁止のウラ側

週間天気予報からすると、次の台風6号は
沖縄本島ピンポイントのコースのようですね。

さて、昨日
経済産業省の有識者会議にて
賃貸アパート等でのプロパンガス代への
上乗せ請求を禁止する方針となったようです。

この話は
一般の方にはあまりピンっと
来ないかも知れませんが
一部の関係者にはゾッとする話です。(笑)


一体どんな話なんですか?

 

まず、
賃貸アパートを新築する際に
建物のオーナーさんは
他の物件と差別化する策を
色々と考えるものです。

その一つの策として
全ての部屋に最初からガス乾燥機を設置し
「うちの物件はガス乾燥機付です」と
入居者を募集をするのです。

大家族で洗濯物の多い沖縄では
乾燥機はとかく重宝するものです。コインランドリーも大活躍

すでにドラム式の洗濯機を
使用している人は別として、
入居者が自分でガス乾燥機を設置したり
ドラム式の洗濯機を購入しようと思うと
それだけで10~20万円くらい費用が発生するものです。当社調べ

それが最初から「ガス乾燥機付」の部屋となれば
入居者にとっては、この10~20万円の出費は不要となるので
「じゃあ、ここを借りようか」という話になる可能性もある
ということを狙った作戦なのです。

ちなみに、ガス乾燥機は
ドラム式洗濯機と比較し、熱効率も良く
「洗濯物が早く乾き、料金もお得」というメリットがありますので
既にドラム式洗濯機を持っている人でも、
入居後は「ガス乾燥機の方を使う」という人も少なくありません。


じゃあ、イイことずくめじゃないですか。

 

ここからが話のキモですが
賃貸アパートに最初から設置されたガス乾燥機の機器代金は
建物のオーナーさんが支払っているのではなく
入居者が毎月支払うガス代に上乗せされて
請求・支払いしていくことになるのです。


じゃあ、ガス乾燥機の代金は入居者が分割払いで
支払っているのと同じじゃないですか。

その通りです。

賃貸物件は
一度プロパンガス会社が決定すると
入居者の希望で変更することは出来ないものです。

よって「ガス乾燥機付」として
一見、お得な物件のように見えて
実は入居者が負担しているに過ぎない
ということなのです。

ちなみに、
今回、経済産業省が想定しているのは
賃貸物件がメインですが
実は、このプロパンガス代への上乗せ請求は
分譲マンションや建売住宅でも同様なケースがあります。

分譲マンションを販売する事業主が
少しでも「お得感」をカモし出すために
プロパンガス会社と 結託して 調整して
「ガス乾燥機付」の部屋として分譲するケースもあります。

そんなマンションを購入した人は
「最初からガス乾燥機が付いているからチョッピリお得」
と思っている訳ですが
そのガス乾燥機の代金は、
マンションの購入者が
毎月のガス代に上乗せで
分割払いをしているのに過ぎない
というカラクリなのです。(笑)今どきのちょっぴりボッタくり

また、新築の建売住宅でも
同様のスキームがあります。

最初からガス乾燥機が付いている
賃貸マンションや
分譲マンションや建売住宅が
全てこのスキームという訳ではありませんが
中小のプロパンガス会社が供給している場合は
可能性はあるものです。

ちなみに
今回、検討が進むことになった
プロパンガス代への上乗せ禁止措置は
早くても「2027年から」という
のんびりとしたスケジュールです。(笑)さすがお役所仕事(苦笑)

ですので、
現在、ガス乾燥機の代金を
分割回収しているプロパンガス会社さんは
残りの約4年間で残金を回収出来るよう
急ぐことでしょう。プロパンガス会社さんもある意味、被害者

また、これから
賃貸マンションや
分譲マンションや建売住宅で
ガス乾燥機の設置を検討している事業主によっては
導入を見直しするところもあるでしょう。

そうでないと
2027年以降は
ガス代の請求書に
①基本料金:○千円
②従量料金:○千円
③ガス乾燥機分割代金:○千円
と記載されて請求されることになります。