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不動産の売買はひと筋縄ではいかない(中古物件の瑕疵担保編)

厳しい寒さの先に必ずやって来る
春を楽しみにしましょう。

さて、不動産の取引は
たくさんの法律が関わっています。

しかし、そんな法律も
全てのことを網羅できている訳ではなく
法律の解釈で対応せざるを得ないことも多々有ります。

そして、その解釈の参考になるのが裁判の判例です。

その中で、今日は
不動産の売買においては比較的身近でかつ重要な判例について紹介します。

内容は不動産の瑕疵担保責任(契約不適合責任)についてです。

まず、大まかな背景は以下の通りです。

・Aさん(買主)が不動産業者(売主)から
築46年の中古マンションを購入

・売主の不動産業者は、その中古マンションの販売にあたり
室内のリフォームを行なっており、「新築同様にフルリフォーム完了!」
と広告をうたっていた

・引渡し後、Aさんが台所で洗い桶一杯分程度の水を流したところ
台所の排水がうまくいかず、残飯や汚水が逆流する事象が発生した

・Aさんが業者さんに調査を依頼すると
排水管に詰まりが発生していることが判明

・Aさんは、「新品同様にフルリフォーム完了!」で購入したはずなのに
排水管が詰まるのはおかしい。これは不動産業者の瑕疵にあたる
ということで、その補修費用の支払を求め提訴

不動産の売買では、売主が不動産業者の場合
瑕疵担保責任は2年以上とすることが宅建業法で義務付けられています。

ここでは
排水管の詰まりが売主の瑕疵にあたるかどうかが
ポイントになります。

結論から先に言いますと
この場合においては、「売主の瑕疵にはあたらず
不動産業者は損害賠償等を支払う責任は無い」
との判決となりました。

世の中の一般的な感覚では
築年数がそれなりに経過している物件であっても
不動産会社が売主であって「フルリフォーム済」と広告されている物件であれば
何の不具合も無いのが当然だろうと思うものです。

しかしながら、
築年数の経過とともに劣化した排水不良については瑕疵ではない
という判断です。

別の言い方をすると
「フルリフォーム済」と広告されている物件であっても
築年数相当の排水不良が存在するのは仕方が無い、
という解釈です。

ちなみに、この事例においては
「一度に大量の水を流すと、排水管に溜っている空気が噴出することもあるが
通常の洗い流しの場合は、短時間のうちに水が流れ切る程度なので
流し台の使用に支障はないでしょう」という見解です。

不動産の売買においては
引渡し後の瑕疵担保責任について
売主と買主にてトラブルになる事例を聞きます。

今回紹介した判例は
世の中の一般的な感覚とは異なる
興味深いものです。

しかしながら、判例も
全てのケースに当てはまるものではなく
不動産の取引もそれぞれに経緯や背景がありますので
その都度判断が変わってくるものであります。

最初に書いたように
不動産の取引はたくさんの法律が関わっており
その判例もたくさんありますが
その解釈も刻々と変わっていきます。

ですので、不動産の取引には
それらの情報に対するアンテナと
知識のメンテナンスが常に必要です。

今回の判例 ⇒ https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/117-126.pdf