週末にかけて、激しい冬型の天気が
訪れるようですのでどうぞお気をつけ下さい。
さて、
不動産の売買には
様々な法律による規制や他人との権利関係や
不動産の状況・状態等のリスクが伴います。
よって、そのリスクを低減し
取引の当事者の保護を目的として
専門的な知識を持ったものによる
免許制が設けられています。
格好良く言えば
それが不動産業者です。(笑)
しかしながら、
不動産の売買は
高額なお金が動く取引ですので
不動産業者でなくても
何とかしてその取引に介在し
分け前に預かりたいと思うものです。
その代表選手が
不動産ブローカーなのですが
日本の司法では、単に
・ポータルサイトで見た物件情報の紹介
・当事者の物件内覧への同行
・売買契約への同席
等の行為であれば無免許とはみなしませんが
・売買の当事者への物件の案内
・価格や契約条件の助言
・売買の当事者に代わっての交渉
・当事者に売買の意思を固めさせる行為
等については、不動産業の無免許事業とみなす
判断もあります。
この判断で行くと
世の中の多くの不動産ブローカーは
無免許事業となります。(笑)
世の中には
そんな無免許運転の不動産ブローカーが
横行していますので、
ブローカーでない一般の方々も
何とか取引に介在したいと思うのは
自然の心理です。
以前、とある人物から
知人が不動産の売却を検討していんだけど
との情報がありました。
ほとんどの場合は
その知人を紹介して頂き、
直接コンタクトを取り
売却に関する相談内容に対応していくのですが
その人物は、実際に売買となった際に
それなりの報酬を得ることを目的に
知人との間の伝言係を続けました。
最初のうちはそれでも良かったのですが
徐々に話が進んでいくと
知人から得てくる不動産の売却に必要な情報の収集も
あいまいな部分が出てくるようになりました。
それでも
売却を検討している不動産自体は
特定できていますので、平行して
役所の調査や現場調査をはじめ
売却する場合の査定を行いました。
そして
ひと通りの物件調査も終わり
査定を提案する段階になりましたので
不動産の所有者との面談を申し出たところ
その人物から情報が・・・・
不動産の所有者は認知症みたいなんで、会話も難しいみたいです
どおりで、
所有者から得てくる情報も
曖昧な訳です。
それどころか
不動産の所有者が認知証の場合は
そもそも不動産を売却するためのハードルが
思いっきり高くなります。
基本的には
売却は難しくなります。
「成年後見人」の制度があるじゃないですか
成年後見人は
認知症の人の
単なる代理人ではありません。
言い方を変えると、成年後見人は
意思能力の無くなった認知症の人の立場に立って
独立した判断をする人です。
また
家族が売却したいと思う不動産だけの
判断を行なうのでは無く
全ての財産や権利を加味した判断を行ないます。
もちろん
認知証の人が不利になるような判断はしません。
ですので
判断によっては
「その不動産は売却はせず保有する」
ということもありえるのです。
また、成年後見人は
家庭裁判所が選任しますが
家族などの身内が選ばれる確率は20%程度です。
それ以外は
弁護士や司法書士などの
アカの他人が選任されます。(苦笑)
また、成年後見人を選任すると
認知証の人が亡くなるまで
報酬を払い続けなければならないという
費用負担の問題も出てきます。
これらの要因から
成年後見人制度を利用するのは
なかなかハードルが高く
結果的に、認知証になると
その人の不動産は売約が出来なくなっている
というのが実情です。
ということで
知人が不動産の売却を検討していんだけど
という人物の
報酬に預かろうという考えは
水の泡となりました。(苦笑)
こんな無駄な時間と手間を考えるなら
不動産の売却を検討している知人がいるから
成約したら紹介料を下さい
と知人を引き継いで頂いた方が
よほど効率が良いものです。