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沖縄の不動産契約の中途解約に伴う違約金について

ダムの貯水量も100%になり
梅雨明けのカウントダウンが始まった沖縄です。

さて、先日
沖縄の市町村が所有する不動産の契約について
ひと悶着あったようですのでご紹介します。

大まかな内容としては、まず
沖縄のN市が所有する商業施設近くの大規模な土地(駐車場)を
第三者に賃貸借するにあたり
一般競争入札にて落札した大手企業さんと市が
昨年3月に賃貸借契約を締結しました。(契約期間:約4年半)

当時を振り返ると、昨年2月には
新型コロナウィルスの感染者が乗船した大型クルーズ船が
横浜港に入港し、その対応に日本中が注目していました。

その後、
日本国内で新型コロナの感染が急激に拡大しはじめ、
3月には東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定されました。

沖縄では、2月に初の感染者が出たあと
その後は感染者ゼロの日が続きましたが
「沖縄は比較的安全な地域」として
全国から観光客が訪れた結果
3月には沖縄でも感染が急激に拡大しはじめました。

これまで世界が日本が沖縄が経験したことのないほど
感染が急速に拡大しましたので
駐車場を落札した大手企業さんに限らず
まさかここまで経済が影響を受けるとは
多くの人が想定できなかったと思います。

その後、
緊急事態宣言の発令が繰り返され
沖縄を訪れる観光客は激減しました。

観光客だけで無く
リモートワークの推進や
不要不急の外出を控える人も増えたため
結果的に駐車場の利用者も当初の見込みから
大幅に減少しました。

新型コロナの影響で
今後も駐車場の稼働率について
先行きが見えない大手企業さんは
約3年半の契約期間を残して
契約を中途解約することを市に申し出ました。

その際、中途解約の理由については
「新型コロナの影響によるものであり、当社の不可抗力である」とし
当初の契約に規定されている
中途解約に伴う違約金(約4,900万円)を免除するよう
市に働きかけました。

一般的に、大手の企業さんたちは
このようなことがあったときのために
日頃から色々な人脈・ 金脈を持っているものです。(笑)

今回落札された大手企業さんが
その脈をお使いになられたかどうかは分かりませんが
少し前の時代であれば、
違約金はスンナリ免除されたことでしょう。(苦笑)

しかしながら
今の世は内部告発の時代ですので
組織の誰かが特定の人や企業に便宜を図ろうとすると
すぐに 文春に マスコミに投稿されてしまいます。(笑)

今回の駐車場の件については
内部告発される以前に、
市の議会で違約金の免除が否決されました。

ある意味、正常なお話しではありますが
違約金の免除を議案として議会に上程した経緯が
知りたいものです。

大手企業さんに忖度して免除の議案を上程したのか、
それとも「議会で否決された」という結果が欲しくて上程したのか
そのあたりの経緯です。

不動産の契約でも
売買契約での引渡し前の解約や
賃貸借契約の中途解約については
それぞれ違約金の規定があります。

売買契約の場合は
違約金は契約金額の20%とするケースが多いです。

賃貸借契約の場合、
違約金は一般的には賃料の1ヶ月分ですが、
保証金を預かっている場合は、違約金として保証金を没収するケースもありますし
契約期間の満了までの賃料全額を違約金とするなど
違約金の額を個別に規定するケースがあります。

今回の駐車場の違約金の額(約4,900万円)からすると
契約期間の満了までの賃料全額を違約金とする契約だったかも知れません。

なお、
契約期間満了までの賃料全額を違約金とした契約について
争った事例が過去にあります。

それによると
「契約期間満了までとする違約金は賃借人に著しく不利であり、
賃借人の解約の自由を極端に制約することになる」として
明け渡しから1年分の賃料に減額しています。

当時の判例 ⇒ http://www.nichijuken.org/index_files/hanrei/hanreishokai14.html

今回解約を申し出た大手企業さんの法務部門も
これらの判例は承知済でしょうから、
今回市議会で否決された次の手として
市を相手に訴訟をおこすかも知れませんね。

今回の駐車場の賃貸借契約の中途解約については
今後の展開も追って参ります。