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不動産の権利はこれまで無償だったからと言って、今後もタダだとは限らない

県外では最高気温が30度を
下回るようになったんですね。紅葉が楽しみ・・・

さて、
大阪に住む市民が、通行料を請求されて
トラブルになっている事例があるようです。

大阪だからといって、
オバチャンが高速道路の通行料を値切った
とか言う話ではありません。(笑)

自分の所有する畑が袋地になっており
その畑に行くのには
第三者の土地を通るしか方法がなく
仕方無くその道を通行していたところ
その地主さんから
「今後は通行料っを取りますからね」と宣告されたそうです。

その通行料を宣告された相手が
ヤ○ザや不動産屋ではなく
「市(和泉市)」からと言うことで少しザワついています。(笑)

今回の畑のように
周りを第三者に囲まれた袋地のことを
専門用語では「囲繞地(いにょうち)」といいます。

畑の所有者からすると
・畑に行くにはその道しか通るしかスベがない
・これまで何十年間も通行している
・これまで費用を請求されたこともない
・それなのに「市」が費用を請求するなんてありえない
という言い分であり、そう思うのも「ごもっとも」です。

確かに、民法でも
囲繞地には他人の土地の通行権を認めています。(民法210条)

ただし、それと同時に
通行に際しては通行料(償金)の支払いを求める権利も認めています。(民法212条)

また、先日も書きましたが
民法の改正により、2023年4月からは
上下水道や電気・ガス・水道等のインフラについても
第三者の土地を使用する権利が規定されています。(民法213条)

これらにより
これまでの「承諾料」や「ハンコ代」等の支払いには
応じなくても良くなりましたが、
第三者の土地の通行や使用に伴い
第三者に負担等が生じる場合は
「償金」の支払いも規定されています。

だとすると
今回の和泉市からの
「今後は通行料を取りますからね」という通知は
民法にも沿ったものであると考えられます。

また、今回の和泉市の事例は
単に「市」が通行料を通知したという
極悪非道な話では無く、
市有地を売却するにあたり
畑の所有者のために、わざわざ
その通路の部分を売却せずに残したという
恩情配慮もあったようです。

もし、これが
ヤ○ザや不動産屋が相手だったら
畑への通路など残さないで
一括で売却していたことでしょう。
何なら畑も地上げしていたハズ(笑)

不動産の売却においても
売主さんが、自分の不動産について
買主さんに説明する際に
「その空地は役所の土地なので
車を止めておいても誰も文句は言いません」等の
補足説明をするケースがあります。

売主さんとしては
自分の土地をアピールしようと思っての
発言ではありますが
その発言が後々トラブルの元となることがあります。

これまでは無断駐車していても
たまたま何の注意等がなかっただけであり
今後も何のおとがめも無い保証はありません。

売主さんも、
そんなつもりで発言した訳では無いと思いますが
買主さんの立場からすると、売主さんの発言も
自分に都合の良い方にしか受け止めないものです。

そして、
無断駐車を指摘されるになると
買主から「話が違うじゃないですか」
と責任を追及されたという事例も聞きます。

ですので
不動産は権利が伴う「物」ですので
第三者にも対抗できる権利が登記等されていなければ
これまで大丈夫だったからと言って
今後も大丈夫であるという保証はないものです。

それに対し
先程の和泉市の事例は
畑の所有者が通行するための土地を残すにあたっての
事前の交渉や調整等も必ずあったものと想像します。

役所も予算や決裁を経て
事業を進めていることから
ある日、突然、畑の所有者に
通行料の請求をするということは
考えにくいものです。