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不動産を売却するときに売主側に発生する費用等

多くの人が涙した首里城の火災から5年が経過します。
お役所絡みの仕事なのに推定原因を含めた報告がないのは
おさすがです。

さて、
不動産に関する問合せの中で
よくあるのが売却したときの
売主側の負担についてです。

世の中の不動産に関する書物やネットの情報等では
不動産を購入する側に発生する費用や
税金に関する情報はたくさん掲載されていますが
売却する側については、それぞれの事情が異なるためか
詳しく説明されたものは少ないように感じます。

そこで今回は
不動産の売却に伴う売主側の費用負担等について
税金などのお役所絡みに絞って
あらためて整理しておきたいと思います。

まず、不動産の売却に伴い
一番大きなウェイトを占めるのは
売却益に対する税金です。

税務署は、
あえて「売却(利)益」とは言わず
「譲渡所得」という表現を使い
「所得」なんだから税金を徴収しますよ
という考え方です。(笑)

このとき、
ポイントとなるのは
①その不動産を取得した時の価格を証するエビデンスの有無、と
②不動産の保有期間
です。

①のエビデンスは大変重要であり
購入した当時の契約書等が残存している場合は
基本的にその時の価格が「取得費(仕入れ価格)」となり
売却した価格と取得費の差額が売却益になります。
(正確には建物部分には減価償却による目減りが発生します)

しかし、
購入した当時のエビデンスが見当たらない場合、
「取得費」は売却価格の5パーセントとみなされるため
売却益が大きくなり、結果的に納税額も大きくなります。

ちなみに、売却する不動産が
自己居住用の場合には
「3,000万円の控除」という特例がありますので
今回のケースは自己居住用以外の不動産のケースとします。

①の不動産の保有期間については
その違いによって納税の際の税率が大きく変わります。

具体的には、
昨日のブログでも触れたように
不動産の保有期間が5年以下だと税率は約40パーセントで
5年が経過すると約20パーセントに半減します。

不動産は5年経過すると売却されるの法則

これらの売却益に対する税金として
所得税については確定申告時に一括での納税となります。

一方、住民税は一括払いではなく
4月頃に役所からの通知によって
1年間を通して上昇した金額で徴収されます。

それ以外に
不動産の売却に伴い影響の有無があるものとしては
公的保険料があります。

まず、
「国民健康保険」に加入している人の場合は
住民税と同様に1年間にわたって
保険料が上がります。

その一方で
企業などの社会保険に加入している場合は
保険料は上がりません。

また、
家族の扶養に入っている人が
不動産の売却に伴い一定以上の利益(103万円以上等)があった場合でも
扶養からは外れません。

しかしながら、
年末調整などの扶養家族に伴う控除対象からは外れるため、
給与所得者の年末調整の額が減ったり
追徴される税金が増えたりします。

細かく書いていくと
色々なケースが出てきますが
ポイントをあらためて整理すると
不動産の売却に伴い
一番大きなウェイトを占めるのは
最初に書いた「売却益」に対する課税(所得税と住民税)です。

そして、
繰り返しになりますが
そのポイントとは
購入時のエビデンスの有無です。

世の中、断捨離がブームとなって長いですが
こと不動産に関しては、
大切な書類まで何でもカンでも断捨離しない人の方が
勝率は良いようです(笑)