おはようございます。
周りを海で囲まれているお陰で
気温が上がらず、また海水との気温差で
適度な風の流れが発生する沖縄に感謝です。
さて
以前、ある現場で
雨漏りがあるということで
業者さんと調査に行きました。
不動産の仕事では
建物の維持管理に関わる
プロの業者さんと接する機会も多く
とても勉強になります。
彼らは、施工や補修を業としており
数多くの現場をこなし
色々な経験をされていますので
そんなノウハウの詰まった方々の話を直接聞くことは
どんなネットの情報を見るよりも参考になります。
そんなプロに現場を見てもらうと
雨漏りの原因と思われる箇所は
すぐに見つかりました。
防水塗装に、
パチンコ玉サイズの穴が空いている箇所が有りました。
その穴が空いている場所は
屋上の排水口の近くで
排水口は枯れ葉や土で塞がれていました。
よって、排水口が塞がれたことにより
水たまりができ、その雨水が穴を伝わって浸入し
室内の雨漏りとなった、というのが推定原因でした。
応急処置として
穴部分をコーキング材で埋めてもらいましたが
こちらの屋上防水は、施工後年数が経過し
かなり劣化していましたので
防水塗装補修の見積りもしてもらうこととしました。
ちなみに建物の屋上に上ると
他の家の屋上の様子も良く分かります。
沖縄の建物は
鉄筋コンクリート造が主流ですが
屋根の部分は瓦等は敷かず
平らなままの「陸屋根」というタイプが多いです。
また沖縄では、一時期、
将来、子供たちの家を増築にするために
屋上を陸屋根にするという家も多かったものです。
陸屋根タイプの建物の多くは
防水塗装や遮熱塗装をしていますが
これらは年数の経過とともに塗装が劣化し
コンクリートや塗装に割れが生じたり
ボロボロになっている屋上も多いものです。
沖縄の紫外線と塩害は
そのくらい強烈です。
そんな中、
築年数が経過している割には
特段の防水塗装をしていないのに
屋上のコンクリートに割れ等が発生していない建物も
タマにあります。
不思議に思い
防水工事の業者さんにその理由を聞いてみました。
業者さんの分析では
「屋上のコンクリートの勾配がちゃんと施工出来ている建物は
屋上も劣化しにくく、その結果、雨漏りも少ない」
というものでした。
陸屋根の屋上は
一見、平らに見えます。
しかし、実際は
微妙に傾きがあります。
屋上の中心部分から各排水口に向けて
100分の1~200分の1の確度で
勾配が付けてあります。(1mで1~2cmの高低差)
この勾配があることによって
屋上に降った雨がそのまま貯まらずに
排水口に流れて行くことによって
防水塗装が良い状態に保たれるのです。
屋上のコンクリートに勾配を付けて施工することは
建築の世界では常識ですが
実際に現場でそれを施工する際には
バラ付きが出てきます。
屋上に流し込まれるコンクリートは液体ですので
放っておけばフラットになろうとする
自然の力が働きます。
それを勾配が付くよう施工するので
作業にバラ付が出ることもあります。
防水業者さんによると
このバラ付き如何で
建物完成後に水たまりが出来やすかったり
将来の雨漏りの原因になっていきますので
屋上に勾配を付けるというのは
重要な作業とのことです。
沖縄に多い
鉄筋コンクリート造の建物での雨漏りにとっての天敵は
屋上の勾配です。