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不動産と金利と金融機関の恐怖

台風14号は九州の一部を縦断するようですので
どうぞお気を付け下さい。

さて、
世界の多くの国が
景気回復方向に舵を切っている中
その先頭を行くアメリカの住宅ローン金利が
借入期間30年もので6%台を超えました。

パーセンテージだけでは
あまりピンとこないので
具体的な数値で試算してみます。

最近は沖縄の木造住宅も
4,000万円台を超える価格帯のものも珍しくないどころか
「4,000万円で購入できればラッキー」
くらいの相場になっています。

そこで
・借入金額:4,000万円
・期間:30年
・金利:1%
・ボーナス返済無し
というケースで試算すると
毎月の返済金額は約12.8万円で
総返済額はヤク4,600万円となります。

これが、
金利6%になった場合は
毎月の返済額は約24万円で
総返済額は約8,600万円となります。

ザックリ言うと
毎月の返済額も総返済額も
ほぼ2倍の金額に膨れ上がります。

分譲マンションの場合は
これに管理費や修繕積立金や駐車場代も
加算されます。

毎月25万円以上の返済は
現実的では無いので
新たに住宅を購入しようという人は
激減するでしょう。

さらに大変なのは
既に住宅ローンを組んでいる人です。

住宅ローンは
金利が急激に上昇しても
返済額がいきなり増えることが無いよう
国の保護施策があります。

具体的には
金利が上昇しても
5年間は毎月の返済額が変わらないようになっています。5年ルール

また、6年目以降も
それまでの返済額の125%を超えないよう
制限があります。125%ルール

しかしながら
これらの措置は、あくまでも
返済額の急激な増加を防ぐためのものであり
単に返済額の先延ばしに過ぎず
返済額の総額が免除されるものではありません。

よって
ローン返済期間の後半には
先送りしたぶんの負担が
スドンと降りかかってくることになります。歳を取ってからの返済が大変

以前、
バブル時代に住宅ローンを利用し
不動産を購入したお客様の
ご売却のお手伝いをしました。

その方は、
バブル期の高い金利で融資を受けていましたが
その金利は脅威の5%台でした。

さらに、その後、
金利が下がったにも関わらず、銀行にダマされ続け
借換え等はせず、そのまま高い金利のまま
返済を続けていらっしゃいました。

その結果、
返済期間が半分近く経過していたにもかかわらず
住宅ローンの元本はほとんど減っていない状況でした。

つまり、これまでは
銀行の金利分だけを
一生懸命支払い続けていた
という状況でした。

アメリカのように
日本でも6%台まで
住宅ローン金利が上昇するとは思いませんが
現在の円安・ドル高の開きを是正するためにも
今後いくらかの金利上昇は想定されます。

昔から
銀行は晴れた日には傘を貸しますが、別に融資にに困っていないときにはジャンジャン融資をする
前の日には貸した傘を取り上げる、資金繰りが厳しいときには融資しないで返済を要求する
と言いますので。